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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

物が放つ存在感 その11 

物が放つ存在感 その11

ここ最近このブログ上で"物が放つ存在感”と云うテーマでずーっと書き続けています。
物とか作品とか人が作り出す物には作り手の思い、世界観がしっかり込められた物があります。
つまり、それは人がそれを見た瞬間まったく別次元、別世界に気持ちを運んで行ってしまう力を持った物が確かにあると云う事です。
普段当たり前になってしまった日常感覚をそれを見た瞬間、新鮮な感覚にしてくれたり圧倒的な世界観を見せてくれる物があるのです。

時々、古いフランス雑貨のお店で見かけるフランスの人形(世に言う高級なフランス人形ではない)の顔なんかはアメリカのバービーとその生活感覚とか価値観の違いが人形の顔の現れているように思います、ああこれがアメリカ人の感覚なんだなとか、これがフランス人の感覚なんだなとか感じるわけです。
このテーマ、「物が放つ存在感その2」あたりで書いた一昔前のフランスの机にはボクはすごく感動してしまいました。
ただの机にどうしてこんなにも心が動かされてしまうのか?
それはただのフランスの古い机なわけです。
なんでそんなただの机にそこまで心を動かされてしまうのか?
果たしてそこまで考えて作ったとも思えないのですが、今の時代の日本の感覚から見れば魅力的な世界がそこにあります。
その時代のフランス人の生活感覚が伝わって来るからでしょうか?実に不思議ですがその感覚は決してたかが机として侮れないのです。
作品をただ作り上げる事ばかりに心を奪われてしまうと、そんな感覚を忘れてしまいます。

ボクはいつも感じて来たのは、「ああこういう感動は忘れていたな」、普段の感覚をひっくり返す感覚です。
旅なんかに出ると違う国の生活や価値観を見た時に自分は一体何をこれまで考えて来たのだろうか?と思ってしまう体験がこれまで何度もありました。
作品を作る願いとは、そんな忘れた思いが引き戻されるような力のある作品を作り続けたいと思っているし、結局はそれが価値観のすべてなのです。