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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

美大って一体なんだ? 

美術大学って一体なんですか?

今うちの長女は美術系の高校2年生、我が家はもう大学受験準備の話題がよく上がる。
長女は親がこんな親だから、その影響で小さい頃からマンガを描いたり、物語を読むことが好きで、いわゆる夢を見がちな子として育ちました。
だから一般科目の大学に行くなんてとても考えられないし、それでちゃんと仕事ができそうなタイプじゃなく、ごく自然な流れとして美大を選ぶ事になった。
彼女自身は大学なんて行く考えはさほどなかったようだけど、このご時世、大学を出ていなくて何かをやるには、 マトモな会社は相手にしてくれないし、
そこでやって行くにはあまりにも狭き門の世知辛い業界なのでちゃんとした美大に行く事を勧めた。

大きな仕事をやっている広告代理店の制作のデザイナー達は例外なく必ずと言って良いくらいみなさん有名な美大卒なのです。
まるでここに入社したければ、ちゃんと名の通った美大卒じゃないと入れませんよ、と断言してるみたいにそこにいるデザイナーたちはその手の美大卒生です。
じゃあ、その名の通った美大に入るにはどうなのか?と云えば、現役合格は厳しく、ほとんどが予備校に行き、受験対策のデッサッンを徹底的に叩き込まれるようです。
そして、デッサンを徹底的に叩き込んで苦労の挙げ句、一浪二浪してやっと合格するケースは全然珍しくはないと聞きます。
それで狭き門の大学を晴れて卒業し、叩き込まれたデッサンが即、役に立つ素晴らしい就職先が待っているかと云えば、卒業即フリーターは珍しくないそうです。
では、何とか倍率の激しい広告会社に晴れて難関突破して無事に就職出来た人はどうなのか?素晴らしい仕事が何とかできるのか?と云えば、そうでもないみたいです。
またそこでさらにふるいに掛けられて、そんな会社ですら、やって見たいような仕事に実際に関われる人は、その中でもまたごく僅かだと聞きます。
もちろんここで云いたいのは、どんな学校や会社に入っていようが、そう言う仕事に就ける努力をしなかったらどこ居たって出来ないのは当たり前の話ですが。

これじゃあ星の数の精子が熾烈な競争を経て無事卵子まで泳ぎ付いて受胎する確率の話にどこか似ていて、何とももどかしいようなため息が出ました。
希望者に対して受け皿数が圧倒的に不足してる業界なのだなと思いました。
本当にそこまでしないとダメなのかね?と思いました。

これが医学部とか理工学部の分野だったら、卒業即フリーターなんてそれほど聞く話じゃないけど、美術の世界には意外に多くあるわけです。
もちろんそう云うフリターになりやすいタイプの人が美大に集まる現実があるのは確かですが、美大って一体何なのかと思ってしまいます。しかも授業料だって安くはないのです。

実はボクは美大はおろか写真学校すらまともに行っていませんが、なんとか自分がやりたかったような広告の仕事に就く事が出来ました。
印象派の画家たちだって全員が美術学校卒かと云えばそうではなく、ゴッホとかゴーギャンなんか独学だったようです、じゃあ美大とは一体何なのか?と思います。

そこまでして行かなければならないのか?と思うけど、最初に書いたようにちゃんとした場所に就職したければ、そこを通らなければやはりやっぱり不利です。
グラフィックとかアートとか言う物は実は学校だけで学ぶ物だけではなくもっと常識的な考えから開放された自由な発想を問われます。
それらが本当に美術学校で勉強できる物だろうか?もっと別のことからも吸収出来るんじゃないかと思います。
もし、入社採用試験の時にその辺の価値観がガラリと変わって来たら美大とその予備校のあり方も大きく変わるように思います。
現状、美大とその予備校の存在は、就職先の椅子取りゲームを背景に立派なビジネスになっている気がしています。