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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

SILENT LAND SCAPE 図録が出来ました。 

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今回アルルへ行くにあたって図録を作りました。
中味は36ページの薄いものですが、アジロ綴じと云う背表紙付に文字が入ったモノで、アルルで自分をプレゼンしる時に相手に名刺代わりに作りました。
正直云って印刷が良いとはお世辞にも云えません、それを覚悟の上で作りました、入稿時、線数の多い印刷を選ぶことも出来たのですが、でも線数のやや少ない粗目の感じの印刷を敢えて選びました。
普通の高級な印刷はまずテストで一回印刷状態をチェックし色とかコントラストとか状態が悪ければ修正して本番印刷に入って行きますが、今回の印刷は制作予算が安い分、テストはなく一発出たとこ勝負の印刷です。
中味はモノクロがメインで、カラー2ページあります、上がりの質感はわずかにセピアっぽく調色した感じがなんとか出て欲しいからそこをCMYK4色カラーで行くか、または黒とセピアのダブルトーンで行くか迷いました。
ダブルトーンならトーンジャンプ(後で説明します)の心配がなく迷ったけど、カラーのカットはあきらめなければなりません。少し迷ったけど結局はCMYK4色を取りました、モノクロ写真をデジタルカラーデーターCMYKで印刷するとモノクロにわずかにセピア調色が掛かった感じが出る感じを期待しました。
でもそれが裏目に出てイヤな青とかピンクの雑味がドーンと浮いて出ないか、(これがトーンジャンプです)上がるまで相当に不安でした、それで一度プリンターで仮実験としてダブルトーン出力して見た結果、ボクにはそれがみな同じトーンに感じ、何かつまらなかったので結局はデジタルCMYKカラー印刷を選びました。
青とかピンクが浮くトーンジャンプ覚悟で入稿しました。上がってみたら最悪の状態を覚悟した上での印刷です、当然予算を掛ければもっとマシな印刷になるのは分かり切った事ですが、予算と時間がなかったのでこれで決行しました。

上がったものはやはり予想通りジャンプがところどころ出て大雑把な感じがしますが、最も大切な渡会ワールドがバッチリ出ていました、まあこれがこの値段で出来たなら良しとしたところで納得しています。
いざ作る時、紙にこだわり、印刷にこだわり、ああだこうだとクルクル廻ってその挙げ句は値段が高くなって予算不足で出来なくなるより、思い切ってここは安っぽかろうが構わない、何があろうが構わない、とにかく作って見ようと覚悟を決めました。
そう云うことに世界で最も神経質なのが日本人なのです、これはメインはアルルに向けて作りました、フランス人はそう云うとこはわりと大雑把です、構うもんか行っちゃえ!です。

今回アルル用のファイルを作る時に思っていたことは、特に少数民族の写真はキレイなプリントを作るよりはその雰囲気に合ったプリントにこだわろうと思っていました。
つまりそのためには多少壊れたようなプリントでも雰囲気が出ていればそれで構わない、それでボクには良いわけです、サラムーンのあの壊れたプリントでもボクは前々からあれで良いと思っています。
今回これを作って感じたのはそもそもみなさんなんだか何でもかんでも印刷はキレイに限る、みたいなこだわりがありすぎるトラウマを抱えている気がしています。「これでも充分良いだろう?」みたいな図太さも時には必要なんではないか?と思いました。
海外の古本屋で見つけられる昔のマンガ本は古本の印刷の方が今の復刻版より紙とか印刷の色とかが粗く完成度が低いけど昔の方が遥かに良い感じです。ボクの少数民族写真もそう云うタイプな気がしています。
これはギャラリーバウハウスで買えますのでよろしくおねがいします、一冊1000円+50円です。