FC2ブログ

アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

美を追い求める者はやがて美に出会うだろう 

mg249.jpg

昨日、横浜、桜木町でニューヨークのストリート、ファッションフォトグラファーのドキュメント映画「ビル、カニンガム&ニューヨーク」を観て来ました。http://www.bcny.jp/
映画感想は彼の写真の捉え方はボクにはあまり接点が感じられなかったけどニューヨークのファッションの価値観とかそこが巨大な器を持ったステージである事を新ためて感じ心の奥を刺激された気持ちになったのは確かでした。
ほんの一瞬だけコムデギャルソンの川久保玲が登場したけど彼女の80年代のニューヨークを観る眼差しがおもしろく、自由な見方が出来る人だな、彼女はやはり小さな日本社会で納まるような器ではないと感じ、彼女がそこにいるだけでボクには元気がもらえる感動をして映画を見ていた。

前置きはこれくらいにして、ボクがこの映画で最も心に残ったのはビルカニンガムが勲章を受賞し受賞スピーチの最後にこんな事を云った。「美を追い求める者はやがて美に出会うだろう」まさにそうだと思う。
これはイエス様の一説、「求めよ、さらば与えられん、叩けよ、さらば開かれん」これと同じ意味合いと解釈していますが、これはボクの基本的な人生の視座です。
何もないところから何かを始め手探りだけが頼りで一体どこから手を付けたら良いのか?何が何なのか分からない、手当たり次第、誰かに聞きたくなる、できるだけ多くの情報を集めに走り回るたくなるけど出来るだけ安易に上辺の情報に頼らないで自分自身の感覚で道を探すべきです。
結論を先に云えば、何かを追い求める時の最も重要な決め手は方法論とか情報とかではなく、その本質を探したい、出会いたい、と云う気持ちがどれだけ強いか、最後の最後はその一点でしょう。
確かにそれは時間はかかり効率は決して良くはないけど本当に重要な事は情報とか方法だけではどうにもならず、それを安易にネットで調べただけで終わるのではなく、出来る限り自分自身の体を実際に動かしじっくり探すものです。長い目で見た時にそれが結果的に一番大切な答えが出ます。
そうやって真剣に探すうちに、神様とはおもしろいもので不思議な出会いを時に与えます、ひょんな意外なところで重要なキーマンに会わせてくれます。もしあの時にあの人に出会わなかったら、その後の自分はなかったかも知れないくらい大きな出会いを神様は時に作ってくれます。
これが人生と云うものなのです、ボクが思うのは出会いによって得るものより、多分これが人生の一番おもしろいとこなのです。そしてそれをいくつか体験した人生に深みを増すのです。
自分の感覚を駆使して探さないでカンタンにお金を出せば買える情報とか方法論にばかり頼る感覚があまりに日常化すると冒頭に書いた「追い求めればやがて出会うだろう」と云う感覚が退化しリアリティーが感じられなくなって行きやがて心は空洞化します。空洞化した心が人の心を強く捉える表現は決して出来ないのです。

世の中の常識または大多数の考えは何かを探したり、何かを達成させるために、最も大切な事は、効率的な手段、情報、コネ、これらをしっかり固める事が成功のカギと捉える人が多く、人はこれを集める事に一喜一憂します。
写真を教える時にもよく感じることです、多くは方法論とか手法をまず知りたがります、たしかに技法は重要なことですが、所詮方法論とはそれを見つけ出した人の足跡のほんの一旦でしかないと思います。
その一旦だけを切り取って教えてもらうより手探りで自分で探す行為の方が実は人の心を捉える表現力を同時に鍛えるのだと思います。
でもその事の重要性が理解出来ない人が想像以上に多い事にボクは驚きます、多分それは心のどこかが空洞化しているからだと思います。