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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

何とか逃げ切った! 

色彩の百花繚乱の村、苗族(ミャオ)の村で無事に撮影をし終え村人に見送られて村を出た、急いで山道を降りれば、今日のバスにまだ間に合う気がして先を急いだ。
何だかんだと云ってここは未開放地区なのです、外人は来てはならないことになっている、無意味な宿泊はしたくないからさっさと立ち去りたい、どこで足がついて公安に見つかるか分からない、せっかく村で撮ったフィルムすべて没収だけは絶対避けたいところだから。

国道沿線の屏辺集落にまだ間に合う時間に戻れた、ヤレヤレだった、集落にある一軒だけの小さな雑貨屋で生ヌルいビールを飲んでいつ来るか分からないバスを待った。
よく見るとラベルの位置が1本1本がズレていていたり傾いていたり、ラベルの貼った位置はバラバラ、丁寧、繊細さがまったくない、栓を抜いたら気が抜けた音がした。旅に出ないとこの大雑把な感覚は日本では絶対出会えない、駄菓子会社がビールを製造したような「ビールなんか、これで充分だ!」と誇らしそうにいい加減さを主張していた気がした。
雑貨屋は日本のコンビニと違ってホントにロクな物は何も売っていない、安っぽい添加物の合成ジュース、缶詰、醤油、油、正体不明な調味料。他には酒、タバコ、マッチ、人民靴、人民服、子供服、布地、刺繍糸、蚊取り線香、殺虫剤、洗剤、農薬、鍵、食器、工具類、などなど。
それらは少なくとも1年以上ここで眠っていたように見事にホコリを被っていた。日本の几帳面なコンビニしか知らない人たちにはこの雑貨屋を是非見せたいくらいだった。これでもモノが売れるのがすごい。

バスが来るまでヒマつぶしていたら、バスがやって来た、手を挙げたくらいで停まる気配がない、通過しそうな気がして思い切って道の真ん中まで出てバスを止めた、運転手は「ニークァーナーディエン?」(どこに行く?)とボクに向って叫んだ、「ガージュー!」(個旧)とボクは答えた、運転手は「乗れっ!」と云う合図をした。
荷物をどうしようか迷ったが、モタモタしていると怒られそうな気がして迷わず乗り込んだ、大きな荷物は屋根に載せるのが決まり、しかし屋根にはすでにいろんな荷物が載せてあった、竹籠に入れたニワトリまで荷物は満載に乗せてあった。
バスは山道をまたガタゴト激しく揺れを繰り返した、来た同じ道を戻り数時間走ってガージューの街に到着した、ここまで来てやっと逃げ切った開放感がしてほっと一息ついた、これで未開放地区のフィルム没収はもうなくなった。