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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

旅で培ったパラダイス探し嗅覚 

夏は日が長く早朝から暑く明るい、5時ごろにもう目が覚めることがよくあるが、そんな時は布団に寝転がっていないでさっさと起きてコーヒーを飲みながら静寂な海を眺めながら朝の光を感じる。
夏の早朝の海景を見ていると、夕日とは違い、まだ空気はくすんでいない清々しい空気に包まれ海景は都心にない気分が味わえる。これを知ると都会暮しはもう出来なくなる。
この夏の朝の空気に触れると頻繁に旅をしていたころ、アジアの朝を思い出す、当時はまだ都会暮しでアジアに来る度にホッとして癒されていた、アジアの朝はなんでこんなに良いのだろうと来る度に思っていた、色彩のきれいなブーゲンビリアが咲き乱れ、朝っぱらから野菜、果物、魚が路上で売られている。
僧侶たちの托鉢の一行が並んでやって来る、地元民は僧侶一人一人に食事の布施をする、犬やネコも路上で寝転がっている、犬はまったく吠えない、ネコも知らない人だろうが寝転がったまま動かない。路上の屋台では人の往来を見ながら朝食を食べる。
大人も子どもも屋台で朝食を食べてから学校や職場に行く、タイ人はあまり家で食べないでほとんど屋台ですませる習慣らしい。
ベトナムも朝っぱらから路上の屋台でミントをたっぷりのフォー(ベトナムラーメン)朝食に食べる。アジアの朝はタイもミャンマーもベトナムもラオスどこも同じ似たような風景。

今から20年ちょっと前、ボクら夫婦はアジアの旅を頻繁にしていた、旅で作品作りもしていたが、息抜きの旅の方が圧倒的に多かった。
定期的に日本から外に出ないと気持ちが持たなかった、日本の環境に居場所が見つけられず、いつも閉塞感とかモヤモヤした気持ちを抱えていたから定期的に外に出ないわけには行かなかった。
見方を変えれば、おもしろいところを知って出ないわけには行かなくなったのかも知れない。それは生真面目なサラリーマンがある日、フィリピンバーにハマって通い詰めるようなものかも知れない、とにかくやっと息が抜ける場所を知ってしまい、そこに行かないわけには行かなかった。
行くと毎回ホッとしていた、行ったところがつまらなければ、時間はたっぷりあるから、良いところを妥協はしないで探した、ポイントは観光客の多い場所は始めから相手にしない。おもしろそうなところは行くまでに時間がかかる、交通不便なところと決まっていた。そこに行くまで2〜3日かかろうがそこに行った。
交通不便なパラダイスは観光客数は少ない、当然俗っぽい店はない、あるのは地元民相手のこじんまりした素朴な店しかなく、島の環境は破壊されないまま昔の姿のまま、その代わり現地語が話せないと始まらない。
パラダイスは遠いからパラダイスではない、乗り継いで行くから時間がかかる、でもそう云う場所に限ってアタマが飛ぶくらいおもしろい、環境が良くて、お金を使う場がないから安くすむ、毎日おもしろかった、おもしろいものを見たり、貴重な体験をしたり、めずらしいところに行ったりしていた。
わざわざダイビングなんかしなくても、水中メガネさえあれば極上の海と珊瑚は毎日イヤってほど見られる、そこに何日何日も滞在した、観光客なんか来ないから、宿代、生活費は1人1日1000円程度だった、今はそんなパラダイスは開発され遠い過去の話になった。

今は旅にまた出たいと思わなくなった、多分行けば行ったで楽しいのは分かっているが、あのころパラダイスを躍起になって探していた、今はそんな根気とモチベーションはもうない、躍起になってパラダイス探しは多分出来ない。
今、海が見える場所で毎日早朝から朝の海を見て暮らしている、もちろん南国とは一緒には出来ないが、散々、気がすむくらい遊んだ。今になって気がついた、秘境を探すだけで実は相当な根気とエネルギーを使っていた、そこで得た結果がアトリエ水平線です。
ここはお金さえあれば出会える場所ではない、散々旅をして培ったパラダイス探しのカンと嗅覚があったからここに出会えたのです。