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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

ビンを並べたことがパクリなのか、 

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僕のこの作品を人に見せるとモランディンの作品が引き合いに出されることがちょくちょくあります。
露骨に僕の作品はモランディンをパクった、そこまで言われたことはないけど、引き合いに出され「それだったらこっちの方が良いんじゃない?」と言わたことは1〜2度ありました。
作品なんて作っていれば何だかんだとそんなようなことは言われます、そこでいちいち釈明してたらキリがないし、第一言いたい奴はまあ好きに言わせておけと思って聞いています。
自分自身が明らかに人から盗用したか、どうか、これは自分自身がまずは決めるこじゃないかと思います。ただ先日発覚したオリンピックエンブレムになると事の影響力が大きいからちょっとわけが違う気がしますが。
このモランディンの真似かどうかについてここではっきり僕の考えを説明しておいた方がいい時期が来たと思います。
最初に言いたいのは誰かに最近批判をもらって慌てて釈明しているのではないです、いつもと変わらず自分の思いついた雑談を書いています、ただ最近ある人からこうは言われた、それはモランディンが先にやってるなら先にやった人には勝てないよね、、、、。この意見は僕にはどうも釈然としない意見にしか聞こえないです。
それと最近モノクロ写真を発表するサイトに出会いこれまでにはなかった広い場でビン作品を表に出して、これについて 文に書いておきたくなったからです。

僕はこの作品を始めるずーっと前からモランディンはもちろん知っていました、初めて見たとき、「ビンを並べた作品かと思って見ていました」その時、特にそれ以上の思い入れはなかったですが、ただ言えるのはその時からいつかはビンを扱ったテーマはやりそうな気はして見ていました。
そういう気がしていたのは、人のことは判りませんが、僕自身、自分に取って扱いやすそうな素材と扱いにくそうな素材は始めからはっきりしています。それから20年以上経ったと思います、古いビンをモチーフに何か撮ってみたいと思い始めました。
そのきっかけは海に近い 環境に住み始め、浜に散歩に行った時に浜でビンを拾うことが多くなったからです、ビンというモチーフはグラスに水を入れて撮るのもそうですが、光の扱いによっていろんな感情を見せてくれ、光次第で雰囲気がガラリと変わるからです、どろ〜んとまったり曇りの日に撮るか、エッジを利かした強い光の下で撮るか、そこに写る写真はまったく違います。
さらに古いビンが良いのは新しいビンは質感がツヤツヤしてそこに時間の流れとかあまり魅力を感じませんが、古いビンの方がはるかに唆られます、特に浜で拾ったビンは劣化し長い年月を感じます、しかもカタチの古いビンに出会えることも多く、そんな理由でビンを中心に撮り始めていたところ、ある時、銀化ビンの存在を知りました。
銀化ビンとは海の中に何十年も塩分とガラス成分で化学現象を起こし不思議な色が自然発生した貴重ななビンです、それをカラーで撮ってみたいと思い始めコレクターを紹介してもらいました。
始めはビン単体でカラーで撮っていたんですが、あれこれして撮っているうちにいろんな色のビンを並べ空間を作って撮れば絵は完成されるところに行き着いた経緯です。
もちろんその経緯上でモランディン作品を見たり参考にはしていないし、初めて見た時以来モランディンの作品は多分ほとんど見たことがないし、なぜなら確かにビンは同じように並んで描かれているけど、表現の方向性はまったく違うし、僕の質感、空間感覚はモランディンとはほとんど接点がないから、仮に彼の作品をに見たとしても却って自分のイメージが遠のくだけで何の助けにもならず無意味です。
そんなワケで仮にモランディンを真似したくても真似のしようがなく美味しいとこだけ上手に切り取って自分の作品に仕立てるってことは意外に世俗的な器用さを必要としますが、僕にそんな器用さはほとんどありません。僕はもっと単純です、やるなら徹底してやる、やらないならまったくやらない、そういう極端な気性ですから。
ビンをあれこれいろんな撮り方をして来ました、ビンで色彩表現をするなら、もう出来ることは限られています、アップで撮るか、ポートレイトみたいに立たせて撮るか、寝かせて撮るか、集合写真見たいに並べて撮るか、色彩構成を効果的に見せ、微かな個々の色彩を引き出すには、結果的に集合写真のように色彩を並べて撮るのが自然な成り行きです。
ビンという単純なモチーフを追い詰めて行くと必然的にどこか似てしまいます、ビンを横一列に並べたことが盗作の疑いがあるなら、人物撮影なんかほんとんど盗作の文化になってしまいます。ただビンは扱う人が少ないから目立つんです。
さらに言えばモランディンは光のトーンによる空間表現はほとんどありません、あまりはっきり覚えていませんが、明暗差のないフラットな光空間です、だからそうしたわけでもないのですが僕はそれぞれのビンを光と質感で階調表現して空間を現しました、僕の狙ったのは「色彩と質感と空間」でした、これが僕自身の表現であって、並べたことは結果的にであって表現としては大して意味はないと思います。
つまりビンという素材をあれこれアタマをひねって何枚も撮っていたならば、しかもそこに空間が作りたいなら、誰だってビンを並列に並べて撮ることを考えるでしょう、その程度のパクリをするようなヤツにまともな写真なんて1枚も撮れないと思います。
と言うか生意気ですが、どうせ似たような物を撮るならモランディよりもっといい画像を撮る気で僕はいましたが、、、、。まあそんなことを言ったって誰も真に受け止めてくれないとは思うけど。