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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

インダストリアルデザイン(工業デザイン)アトリエの家具 

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昨日の続きです。
生活にまつわるあらゆる物や事はある程度のデザインはされていないとやはりイヤです、でもデザインには頃合いがあって デザインされすぎたものはやっぱりイヤだし作り手のエゴが見え隠れするのはちょっとうっとおしいと思います。
適度にデザインされながらどこかその引き際があっさり適当なのが良いですね、良いデザイナーはそこがちゃんと見えています、ドラフトの宮田識氏は以前「デザインするな」と言う本を出されました、読んでまさにそうだな〜と実感したし、デザインに対する考え方、美に対する哲学性を感じる内容で、なかなか面白い本なので一読をお勧めします。
この本の内容は、デザイナーはデザインしようとデザインしているようではダメだ、デザインすることなんか忘れながらデザインしているくらいじゃないければ本物じゃないと宮田氏が言いたかった、と僕は受け止めました、これはカメラマンにも同じことが言えますし、音楽もその人が楽器を触っただけでその場が音楽になるくらいじゃないと聞いていても楽しくないと思っています。
僕がインダストリアルデザインが好きなのは、適当に素っ気なくて適当に機能的で、かつ遊び心はちゃんとあるデザイン、そこがお気に入りです。
ここに写った画像の家具はうちのアトリエにある棚と椅子です、椅子は当たり前の学校椅子んなですが、塾の払い下げ品をリサイクルさんから買い取って、そのままの色彩ではあまりにも地味すぎてダサかったからうちの奥さんがこの色に塗りましたがこの色彩で元のイメージから一気に感じが変わりました。
こういう色彩は日本ではあまり日常見かけないけど前にポルトガルの空港のカートがこんな可愛い色だった記憶があります、またベトナムもわりとこれに近い色彩を見かけます、特に旧共産主義、社会主義の国に行くと、色彩感覚がこんなにも違うかと痛感します、旅をすると国によって生活色彩感覚のズレによく出会います、世界の視点から見ると日本は街中のデザインが地味で色彩の乏しい国です、その点、南ヨーロッパは色彩感覚が豊富です。
物とは色彩を変えるだけで同じ物でも見え方、感じ方がずいぶん変わることに気がつきました、つまり色彩はデザインと同じくらい物の印象を変えます、それは旅でいろんな国の色彩感覚に触れて気がつきました。
さてインダストリアルデザインに戻します、ジャンプルーヴェは家具デザイナーかインダストリアルデザイナーか建築デザイナーなのかに迷いますが、彼のデザインを建物から家具まで通して見るとアールデコとかバウハウスの流れを彼の作品から感じます。
アールヌーヴォーは生活の調度品から出てきた感覚に対してアールデコはアールヌーヴォーのような装飾性をやや排除して直線的なデザイン、機能性重視のインダストリアルデザインの幕開けを感じさせられます、だから建築デザインにアールデコは多く取り入れられた感じがしますしインダストリアルデザインはそのバランスがちょうどよく僕が好きな理由です。
あまり凝りすぎたデザインではなく、かつデザインの心を忘れていなくて、生産的でありながら遊び感覚を忘れず、機能的で所帯臭くなく、そこら辺がちょうど良い感じです。
この画像の白い収納家具はアトリエ2階に設置した家具ですが、すべて自分で作りました、デザインは自分がしましたが、こんな物はオリジナルとはとても呼べずどこにでも見かける定番のアールデコデザインを取り入れました、各扉の落とし込みと金具は乏しい道具環境の中で手作りしましたからとにかく扉作りに1ヶ月くらい時間がかかりましたが、アトリエ建築最後の仕事と思って根性を出して作りました、今ならとても手間が多すぎてここまで作る気になれないです。
ちなみに掛かった金具類の経費はすべて安いただの鉄素材を自分で切断したりして取り付けたのですべて計算しても2千円程度だった気がします。