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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

スウェーデンに行って感じたこと、見たこと(4) 

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スウェーデンの国内移動時に飛行機で空からスウェーデンの土地を見て、かつてイギリスを自転車で旅したことを思い出しました、イギリスと同じで山がほとんどない土地なんだなと感じたりたくさんの湖沼を空から見つけました。
ヨーロッパは知る限りではあまり山がデコボコしないフラットな土地です、もちろんアルプスやピレネー山岳地がありますが、日本と違い山岳地と平地のコントラストがはっきりして基本的にはどこまでも続く平地が多い、日本のように狭い土地にグチャグチャと山があるわけでない、アジアは僕が知る限りでは狭い土地に丘陵地が凝縮しデコボコしていますが、ヨーロッパはフラットな土地が多い。
空の印象で書いたように、昔イギリス島を自転車で一周の旅をしました、当時はそれはなんとも思っていなかったけど、今になってよくやったな、、、、、こんなことはそう出来ることではないと思います。
イギリス自転車旅行は毎日フラットな土地を走る旅で走ること自体が楽しい旅でした、日本は山が多くストイックにならないと走れないです、イギリスは山があったとしても長野のような山はなく丘レベルで自転車で超えるのは、または避けられるので走るのは苦じゃない、日本でそんな環境を選んで走りたいならもう北海道に行くしかない、本州、四国、九州でそんなところはまずないです。
とにかく日本での自転車旅行は走って登って下ってまた登ってまた下る、延々にこの繰り返しが日本の自転車旅行で鼻歌交じりでゆったりと走れない、ヨーロッパを自転車で走ることを知ってしまうと日本はあまり自転車旅行に向いた環境じゃないのがよく分かる。多分このスウェーデンも自転車旅行がわりと楽しいところだろうな、、、と空から想像して見ていた。これは一度日本を出てゆったり走る気分を実感しないとこの気分は分からないんじゃないかな、、、。

さて毎度のように前置きが長くなりました、スウェーデンの主幹産業は工業ではなく林業だそうです、国土の66%は森に覆われ、林業は国の外貨獲得産業として大きな役割を果たしているようです、でも日本で林業はまったく利益が出ないようです、それはどうしてなのか、、、、、、?
理由は先に書いたように日本はフラットな土地がないため林業にしても農業にしても効率が良くない、例えば米なんか平地じゃない環境で作っても生産効率はどうしても悪く、アメリカに比べて高いのは当たり前のことで、それは木材も同じことが言えます。
スウェーデンの森を見て驚いたのはフラットな森でした、僕ら日本人のイメージは森とは丘陵地帯にある印象がありますが、そうではなく森とはフラットな土地が普通のようで木材を伐採しても運び出す手間があまりかからない、日本の林業が効率が悪い理由がやっとここに来て理解できました。
確かに山の中で切り出した木材はそこから引っ張り出すだけで手間です、さらに驚いたのは、フラットな環境なら農業生産も高いかと思ったけど、ある程度は自給率があるけど、基本的に寒い土地なので農業は思ったほど適さないそうです。
つまりイギリスを旅して感じたのは畑らしい畑なんてほとんど目にしなく羊や牛ばかりでした、農業は基本は不向きだそうで、資源もないし、農業にも不向きで、残されたことは、外に目を向け植民地で稼ぐしかなかった、スウェーデンもそうなんですが植民地はなく林業と漁業と工業くらいしか産業はなく、とは言えドイツのような工業国にはなれず、少数精鋭で行くしかなくアタマを使って効率的生産、新しいスタイルの産業にしないと競争力がない、無策なやり方では物事では長続きはしなくスウェーデンは資源が限られているからか、そんな考え方と生き方が徹底しているように見えました。
精鋭思考は関心させられます、これは人口が少ない国だから政府も方針が立て実行がしやすくそれが実現されつつある社会を実感しました、これは僕にとって新鮮でした、これまでいろんな国を見ましたが、こんなスタイルの社会は初めて来た気がします。
早い話、こんな思い切った知的な政策は新しいからと言って日本やアジアでも実現させたいといっても、早々に実現が出来そうな気はしません、スウェーデン企業のイケアでところどころに目にしたのが、sustainability(持続可能性)、森の伐採の考えにもそれが徹底して考えられているのがよく分かります、彼らは森の木を一区画、丸々ザーッと切ってしまうことは決してしなく、どれを切るのか選んで切ります、森を育てながら切る木と残す木を選んで伐採しています。
つまり言いたいのは、彼らの基本的思考スタイルは物事を俯瞰的な目線で見て、物事をどう手を出せば良いのか、自分たちと物事はどう付き合って行けば良いのか、それをデザインし設計しコマを進めているように見えました、つまり単純な効率的生産を追求する思考はもう過去の考えであることをここでは感じます、ここは新しいスタイルの社会主義国家であるのを感じたことを前に書きましたがそう言うことなんです。
前回の話にまた戻ってしまうんですが、広告制作会社からもらったカレンダーデザインですが、デザインとは単に目に見える視覚をデザインすれば良いのではなく、デザインの心構えとして、視覚的デザインをする前にまず考えとか思考デザインすることが先です。
それをしないデザインって言うのは所詮、浅いデザインでしかなく、その辺がきちんと整理デザインされているものは サステナビリティ(持続可能性)、エルゴノミク(人間工学)としてデザインされているように感じました、その次に目に見える視覚デザインが施されれば、凝ったデザインなんかでなくても十分に美的説得力があるような気がします。
スウェーデンではそんな考えが、、、、、街を見て、空港を見て、レストランを見て、ホテルを見て、森を見て、デザインと人の生き方と社会の作り方、物作りのあり方と、それらを統合する企画デザインとして、それらをどう結びつけられるのかなんだか少し見えたような気がしました。もらったカレンダーがどうして好感が持てなかったか理由がやっとここでクリアーに見えて来ました。