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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

国によって物事の価値観は違う、だから海外に行きたくなる。 

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アイルランドのアラン諸島の小島に何日か滞在して、天候が良ければ崖っぷちでドローンを飛ばし、動画撮影の練習していました。しかしそれがなんでわざわざアイルランドなのか、、、?
どうせ練習するなら実戦本番でやらないと何も覚えなし、せっかくなら行きたいところで,飛ばしたいところでやらないと、、、と思った、それに一年に一回くらいは行きたいところ、海外で気ままに時間を過ごしたいし、あれこれと日本独特の規制に縛られず自由にドローンを飛ばして遊びたかったし、、、、。
ドローンは空を飛ぶカメラとしてまだ未知な部分が多くその潜在的可能性はとても高いデバイスです、でも空を飛ぶが故に普通のカメラを扱うのとはわけが違います、つまりドローンは事故がつきもので、操縦能力、事故予防の能力、その危険性の認識、諸々の知識が必要なもので飛ばして経験を積むしかない。
以前はドローンなんて興味すらなかったし、自分からはあまり気乗りはしなかったけど仕事上で必要に迫られて覚えた、しかし使うと決めたらもう中途半端はあり得ず練習と経験の積み重ねは欠かせない、時間とお金に余裕があれば海外の許可申請、その手続きとか海外フライトも経験しておかなければならない。
そこで今回選んだ場所がアイルランドの崖っ淵を海上から飛ばして撮影すること、しかし海岸と台地の落差は激しく気流は不安定、気流変化には細心の注意をして飛ばさないとまさかの墜落が待っている。

さてその崖っ淵について話をします、実際にそこに立って驚いたんですが、まず行った時の天候は強風が頻繁に吹き、小雨も頻繁に降っていて思うように飛ばせられない、また自分が飛ばしたいポイントまでどうやって辿り着けるか、行ってすぐに飛ばせたわけではなかった。
驚いたことは、崖っ淵はちょっとした名所になっていて、それを見るための訪問客は少なくはない、しかし僕が見た限りでは、崖っ淵の安全管理、その規制などはまったくなかった、日本ならば間違いなく、そこら辺りにその危険性ついて、警告文、注意書きを大きな看板で掲げるが、それすらまったくなかった、立ち入り管理の柵もない、崖の先端に行きたければ自由に行けた、ただそこは未開発な環境できちんと整備された道がなくアプローチ自体が難しかった。
この写真のように先端ギリギリで座って楽しんでるヤツらはたくさんいた。
これが日本ならまったく考えられないことです。危険判断、事故の予防、は各自の判断と自己責任にすべて委ねられている。でも思い返したら、僕がこれまで世界をいろいろ旅をして見て来た場所はどこもこんな感じです、むしろ日本は外に比べたら、あらゆる場面で過剰なくらいの管理社会だと思います。
崖の総延長は少なくとも7〜8キロくらいあったと思う、それぞれの崖には土地の持ち主がいます、台地は延々とただの野原の放牧地で、そこに住宅とか小屋とかはなく、崖に沿って延々と歩いても誰も文句は言われないとツーリストインフォメーションで教えてもらった。

その手の管理認識は国によって、それぞれの考え、常識、規制が相当違う、ヨーロッパはだいたい同じような規制感覚です、例えばオランダの首都アムステルダムは街中に運河が網羅されているが、運河に手すりはまったく設置していない、街の美観から考えて敢えて設置しないを選んだ、その代わり小学校では子供たちに落ちた場合を想定し自力で泳ぐ訓練しているらしい。
日本ならそんな考えは到底あり得ない、そんなことを仮に提案したらうるさい輩たちから「そんな常識外れなことは絶対にダメ!」と批判の嵐を吹きまくるに違いないだろうし、その手のことは非常に保守的な考えが思考の中にしっかり定着していて、批判が多く、日本ではこういう概念、自己責任で自由にやって下さいと認可されることはまだまだ絶対にない気がする。
僕はアムステルダム市の英断「美観を損なう手すりは少々危険だろうが設置はしない」この考えを選んだアムステルダムの役人はずいぶん気の利いた人たちだと思った。じゃあ、アイルランドのこの崖の場合はどうなのか、、、?崖っ淵に美観を取ったのか?
すべての崖淵に柵を設けるなんてあり得ないし、お金もかかる、じゃあ、辺りをどうして立ち入り規制をしないのか?
僕が思うには、、、それは先にも書いたとおり、管理に対する認識の違いしか言いようがない、管理意識がアイルランドと日本ではえらく違うわけです、逆にその管理意識は日本社会はどこか過剰管理な気がしています、仮に事故が起きた場合、まず世論は管理責任の追及から始まる、落ちた人の自己責任を問う前に管理者側の責任追及で始終する国柄のような気がします。
僕はこの規制感覚はおかしいと前から腹立たしく思っていました、これでは何かをする度にあれこれ面倒な規制に阻まれてしまい、自由に何もできなくなってしまいます、と前から感じていました。これでは、管理するお役所の人たちの神経は持たないだろうし、役人は言われたことしかしない保守的思考になるのはどうしても避けられないと思います。
さて、、、この崖の安全性、危険度は、その現実はどうなのか?
僕はドローンで外から崖の先端のすぐ下を細かく確認しました、その結果、先端真下は必ずしも岩盤がしっかりしているとは言えず、所々えぐれていました、つまり人が先端に立てば崩落の危険性は十分にありえる箇所をいくつか見つけました、それでも警告文も立ち入りの規制制限は一切なく、行きたい人はこの写真のように自由に勝手に自己責任で楽しんで下さい、落ちたらあなたの責任って感じです。
どっちが良いか、悪いか、最終意見はなんとも言えない、でも僕が日本のやり方に弊害を感じていることは、公が民をあらゆる場面で管理したがる思考回路、その習慣は日本的な伝統常識であって、各自の自己判断に委ねる、その思考価値観が日本ではまだ成熟していない、公や大多数は個々を管理したがる感覚がまだまだ根強くあって、民衆もそれに慣れっ子でこの手の危機管理については自分で考え行動する習慣が根付いていない社会だと思う。
見方によってはそれはまだ未成熟社会とも言えます。
そんなことは気にしない人にとっては気にしないだろうけど、これは僕にとっては大きな問題です、すぐ柵を張りたがる感覚、すぐ立ち入り禁止したがる、物事を規制したがる感覚、困ったものです、また国民も国民です、これにあまり反論を持たない人が多く、自分で物事を考える習慣がなく何も考えない社会になってこれは悪循環です。僕はこの何でもかんでも管理したがる、何でもかんでも危険立ち入り禁止を貼りたがる社会風潮には嫌気が差しています、たまには違うところで自由にドローンを飛ばしたい衝動に駆られます。
結論、もしこの崖淵が日本だったら、近寄れる崖、立ち入れる崖はごく限られた場所でしかないでしょう、自由に歩き回れる範囲なんてあり得ない、崖は徹底的に管理され、他は絶対に立ち入り禁止、7〜8キロあるはずの崖は、見られるのは一か所に限られた展望台でしかなく、先端からやや離れた場所に設置される、そこで書かれる決まり文句は「危険ですから絶対に近寄らないでください」
見方によっては無駄なことにたくさんの税金が投入されます、それでは税金が足らないのは必死です、街中でも「大変危ないですから絶対に近寄らないでください、」この手のアナウンスはそこらで流れていますが、僕にはちっとも危険でもなくバカみたいです、これは人間の幼稚化に拍車をかけるばかりじゃないかと僕は思う。