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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

短波ラジオと供に辺境地帯を旅をしてた、 

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うちの奥さんがギャラリーで聴くために「ねぇ、ソニーのラジオ持っていたよね、あれ使ってもいい?」と聞いてきたから、棚の奥に仕舞い込んであったラジオを引っ張り出し久しぶりにソニーの短波ラジオを手にした、これを見ていくつか思い出が湧き出した。
今この時勢、地球の裏側に行こうがスマフォとかノートパソコンさえ持っていたら日本からのやり取りはカンタンに出来る、まるで鎌倉から東京にメールする感覚で連絡が取れたり海外との通信は楽になった。
こうなると以前、海外に行った時に感じた、あの地球の裏側まで行った重みがない、僕が初めてイギリスに行った時、日本にコレクトコールで電話で話した時たった3分が5000円したそうだけど今はもうそんな時代じゃない、スカイプならタダで海外まで相手の顔を見ながら話ができる、しかもずーっと話ができる。

昔、バックパッカーで中国、アジアの僻地に住む少数民族の写真を撮り歩いていた時、辺境地に入り込むと自分の周りには旅行者なんか一切いなかった、旅行者にまだ荒らされていない民族を求めて旅してたんだから、当然外国人は自分だけになって一切の情報から遮断される。
一度、中国の僻地にいた時、中国で大きな事件が起きて、それは僕ら外人旅行者にとっても無関心ではいられない事件だった、その時、アメリカ人旅行者たちは短波ラジオでヴォイスオブアメリカをキャッチして、聞き耳立て新しい情報を入手していたのが印象的だった。
またこんなこともあった、アメリカがイラクに最初に攻撃を仕掛けた湾岸戦争の時、ちょうど僕はフィリピンにいた、マニラ市内は厳重なテロ対策の時期で停泊してた宿に出入りする度に毎回厳しい荷物チェックがあった、その時もまだ短波ラジオを持っていなかったから、正確な情報は何も入ってこなかった。
結局フィリピンに2ヶ月くらいいたけど、フィリピン滞在時に戦争は始まってフィリピン滞在時に終わった、街中で売っていた英字新聞で「War is over」と見出しを見て、ああはこれで戦争は終わったのかと終戦情報を得た、それ以来僕は海外の辺境に行くなら短波ラジオは必ず持つようになった。
辺境地帯では今でも短波ラジオは必要かは知らないけど、今はあのころとは事情が大きく変わってモバイル通信が相当僻地まで通じてるから実情はどうなんだろう?なんせまだ電話線が開通していない発展途上国のローカルでも今時は電話線開通する前に携帯電波の方が先に普及するから、僕らの時代の感覚はもう通用しない。
少数民族のテーマを撮って旅して時、それがどんどん泥沼化してついに原始に近い部族を深追いしたことがあった、1回目に行った部族はまだ現代の匂いが感じて、それが物足らなくて、翌年さらに原始的な村を求めた、そこはかつて人食い人種をしてた村だったとガイドから聞いたけど、まあちょっと言葉に言い表せない居心地の悪い気分を抱えながらその村に1ヶ月近く滞在した。
そこは一応はインドネシア領だけど、パプアニューギニアと同じ島で文化的にもニューギニアとほぼ同じと解釈して良いところ、そこで長く滞在するには日本の情報は完全に閉ざされた、あまりにも奥深い辺境に行くと気苦労が絶えない、いるだけでストレスは溜まっていた、そこで数少ない気休めが日本から入るNHKのラジオニッポンと言う短波放送の日本語だった。
日本語から何ヶ月も離れて暮らしたことは過去何度も体験したけど、まともな国ならどってことない、でもさすがにここまで現代文明から離れた村で暮らすと精神的にかなり参った、でもそんな村ですらNHK短波放送は受信できた。
そこで聞けたニュースは国際ニュースと国内ニュース、日々の話題、ドルレートだったけど、それを毎日聞いてるだけで自分と日本が繋がっている気がして心が安らいだ。
ベルリンの壁が崩壊した時も誰かが短波ラジオを持っていて壁が壊された歴史的ニュースを短波ラジオで知った、あと記憶に生々しいのは、中国の山奥にいた時、そこで中国の各都市で民主化要求のデモが各地に飛び火化したことも短波ラジオのニュースで仕入れた、情報ではデモの勢いがどんどん拡大化してる情報をラジオで聞いて危機感を感じてすぐ山から街に降りた。
街で見たのはただならぬデモだった、それを見て、近いうちにえらい騒ぎになるのは必至と判断し急いで中国を出国した、日本に帰国して2〜3日後にあの歴史的な北京の街を人民解放軍戦車が出動した北京天安門事件が始まった。もしあのまま事件勃発後もまだ中国にいたなら少数民族を撮った撮影済みフィルムは出国時に没収されたと思う。

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