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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

こんどは気を楽にした個展がしたい 

うちの家内が鎌倉駅近くに水平線ギャラリー、スペースの小さなギャラリーを始めました、6月〜7月にかけて僕の個展「魔法植物園」を開きましたが、そこで感じたのは「ギャラリーに縛りがない」ってこんなにも楽で自由なのか、、、、、と、しみじみ思いました、逆に言えば企画展とかレンタルギャラリーで個展を開くのはなんらかの枠の中の感じがします。
以前、都内の名の知れた写真ギャラリーで企画展をやってもらいました、ギャラリーからあれこれ指示があったり、展示作品もギャラリーが決めたり、今になって思うとそれなりにギャラリーの「縛り」があって、そこで気を楽に自由に楽しんでやっていた気はしなかった、あのころはとにかく作品活動範囲を少しでも広げたい進出欲でいっぱいだったからそれに疑問も感じなかった。
企画展なんだから当たり前ですが、果たして本当にこれが売れるのか?と思う作品をメイン会場に大きくズラッと飾ってもらったは良いけど、結果は予想をはるかに下回った散々なものでさっぱり売れなかった、準備にかけたお金に対して売り上げ金はほとんどないし、作った大きな作品の在庫を抱えるし、その作品はもう他に行き場がないし、それ以来作品展の考え方はあまり何も考えないで調子に乗るんではなくやや慎重になりました。
でもそれはそれでまた考えもので、そうやって慎重になればこんどは物事をつまらなくさせてしまう。また会場を借りて個展をするにもそれなりの場所代を払います、場所代を払って場所借りして個展を開くってことは、どうしても最低場所代くらいは売らないと話にならず、個展自体が気楽に開けるモノではなくどうしても気張ります。自分はちっとも気張っていないつもりでも、やっぱり気張ってしまいます、とても気楽に実験気分で何かをするような心の余裕がない。
気張るのがいけないワケではないが、気張って物事を始めるとどうしても自分を疲弊させ、次への意欲を萎えさせてしまいます、続けてやりたないなら、やること自体に楽しめるとか、発見があるとか、利益が出るとか、次につながるやり方を模索すべきです。じゃないと準備にお金もかかりますから続きません。
その点、うちのギャラリーは規模が小さく、べらぼうな経費がかかるわけでもないし、誰からも「縛りがある」ワケでもないからわりと自由で気楽に出来ます、それと昨日書いたようにヴィンテージな印画紙が海外ルートが見つかってアナログモノクロプリントの敷居が低くなって今回のコンセプトは個人的な思いの実験が込められています。
毎回、個展の時とか、自分が作品を作る度に思うんですが、個展の時は先に書いたように気持ち的に気張っています、その時の価値観のもっともいい状態を表したいと融通の利かない強烈な思い、ガチガチな思いでもって価値観に圧力を掛け思いを凝縮します。その結果ストライクゾーンは狭く考え方に融通が利きません。
例えば暗室で作るプリントなんですが、ちょっとでもイメージから外れたプリントができると、イメージに沿ったモノが上がるまで焼き直します、時には何枚も焼き直します。凝った調色をしたり普通とは違う個性的な処方をあれこれと模索します。
そのときはそれが当たり前と思っていますから、当然のようにしますが、それは暗室の生産力がなく、作業量が多い、作業日数もかかり、印画紙のロス率も高いから、意外と作業に疲弊します、それにやっていてあまり楽しくないと今になって思いました。
たしかに一般の作品にくらべて個性が尖って好い結果も出ます、それが新しい手法を見つけることもあります、それがまったくないのはやはり緊張感のない作品になって、良いとか悪いとか抜きにして、何かを表現したいなら一度は本気になってそこにハマるべきです、人は意外に何が本気なのかって分かっていないし、それが結果として何を生み、何に導きどんな結果を呼ぶのか、それはやらなければ分からないし、、、。
でもあれこれそれを散々やって、冷静になって見方を少し変えるとそこまでしなくたってサラッとやっただけで十分良い作品、良いプリントになることだってあることを知ります、またプリントをしていてよく思うんですが、その時はこれが一番良いと思って仕上げたプリントが、時を経てまたプリントすると、今度は違った仕上げがよく感じたりします。
そんなことばかりです、もうこうなると、その時は自分がいいと思ったその思い入れは、時間が経った時に、いかに頼りのないモノでしかない、思い入れはいかにあてにならないか、つくづくと思います、逆に時々気を楽にして個展を開いてはどうか?と思って今回、ついにそれを開いてみようと思います。
とはいえ、これまで散々思い入れを持った人が少し塩分を抜くくらいでそれがどうなるやら、、、、その気楽な思いが一体自分をどこいに連れて行ってくれるのか、自分に何を見せてくれるのか、やっぱり思いとは凝縮すべきか、あまりそうすべきではないのか、それについて自分をここで見つめ直してみたい気分で今回の個展を開きます。9月1日からモノクロ個展を「水平線ギャラリー」で開きます。

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