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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

プラトンのイデア論はむずかしい話ではない。(3)シュリーマンの奇跡 

イデア論について2回に渡って書いたものを読み返すと、これでは人に理解できるように説明したことにならない、我ながら歯がゆい思いです、目線を変えてまた書き直します。
僕は歴史に名を残す発明家発見者の伝記を読むのがとても好きです、そこに道なき道を知恵を駆使して切り開いた人間の英知を感じるからです、特に好きなのはシュリーマン、エジソン、ライト兄弟です、彼らの人生を紐解くと、どう考えても常識的な方法論とか答えの出し方を越えています、何か異次元からインスピレーションを受けた、何かに導かれたとしか考えられないような人生を強く感じます。

中でも好きなのがシュリーマンです、僕にとってドラマチックすぎるくらいシュリーマンは多彩な人生です、大雑把な記憶だけで書きますから、史実と若干の違いがあるかもしれませんが書いてみたいと思います。
シュリーマンは牧師の家庭に生まれました、幼いころ、父親からトロイアの遺跡についての本を買ってもらいましたが、それがシュリーマンの人生を変えます。
シュリーマンは青年になって貿易商社の使用人として働きます、そこで彼は外国語を次々に覚えます、詳しく覚えていませんが、わずか2つ3つの言語ではなくいくつかの現語を次々にマスターしますが、驚くのはそれらは単なる片言レベルではなかったそうです。
そしていつしか商社を経営する立場になりシュリーマンは商才を発揮し経営は順調に軌道に乗っていたそうです、しかしある年齢になって、順調だった商社をあっさり他人に譲り渡し、手にした財力を基にいよいよ幼いころからずーっと夢見たトロイアの遺跡発掘事業を始めます。
しかし、当時トロイアの遺跡は伝説にすぎずそんなものはただの作り話だ、その存在を誰も信じなかったそうですが、シュリーマンは商社を経営してる間に、どんな調査をして何を根拠に遺跡存在を確信していたのかは知りませんが、少なくともなんらかの手応えと確信は彼にあったからそれをしたのだと思います。
シュリーマンはある時期を境に惜しげもなく自分が育てた商社を手放したと見るよりそれは逆じゃないかと思います、彼は始めからトロイアの遺跡を発掘することしか考えていなかった、そのための資金稼ぎが商社であり、その資金を作るために商社を成功させないわけには行かなかった、そう見た方が自然な気がします。
多くの方々は実在界のイデアを引き出すには直感力があればそれが読める、まるで霊媒師みたいな存在をイメージしているようですが、それはちょっと誤解してる気がします。確かに人には感じられない消えた遺跡にロマンを感じる感性は並外れたものがあったでしょう。
僕には霊媒師的な能力よりも、幼いころ読んだ消えた遺跡に対して並外れた憧れが彼にはあって、それが彼のアタマから離れないくらい強烈なイメージとして焼きつきその虜になった、いつか遺跡発掘事業ができるくらいの財力を手にした時、必ず発掘事業をやろうと心の中でずーっと夢見続けていた、それがシュリーマンだった気がします。
多分彼は商売をしながら遺跡発掘に関する資料、情報を集め、トロイアの遺跡研究を怠らなかった気がします、そして彼の中でそれはただの憧れから確信に変わって行ったんでしょう。
人はそのようにアンテナを張っていると不思議なことが次々に起きます。遺跡発掘のキーマンとなる人材にも出会いますし、遺跡に関する情報も向こうからやって来ます、常識では考えられない不思議なことが次々に起きます。
でも彼を知らない外部から見れば、彼はただの奇人に映ります、あれだけ順風満帆に商売が上手く行っていながらきっぱりと手放す彼の行動を人は変人奇人としか見ないでしょう、でもシュリーマンにすれば何十年もじーっと待った末の決断だったわけです。
そしてシュリーマンはついに伝説のトロイアの遺跡を発掘します、世の中はそれについて「彼は商社よりもっと儲けのある発掘事業に商売替えしただけだ」と酷評した人も出たそうです。
シュリーマンをどう評価するかは各自次第だと思いますが、僕はシュリーマンこそイデアを引き出せた人だと感じます。

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