アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

インディカ米の不可解な味覚 

今日は話が少し変わってインディカ米の話を書きます。
インディカ米とは通称 長米もしくはロングライスとも言います、私たちの常食米はジャポニカ米品種です、ジャポニカ米の方がデンプン質が多くモチモチ感があって和食はやはりジャポニカ米が欠かせないです、特に寿司はさすがにインディカ米ではあり得ないでしょう。
米食文化の日本人ですが口に合わないのか日本人の食卓にこれが並ぶことはまずない、今から20年近く前、夏の日照日が少なく結果、異常な冷夏で米が不作だった年がありました、その緊急策としてタイから米輸入をし日本中の各家庭の食卓でタイ米(インディカ米)が並ぶ事態になりました、ところが一般日本人はタイ米の扱い方、食べ方、それに適した炊き方なんか何も知らなく、ジャポニカ米と同じように扱いベチャベチャな炊き方になって散々なことになりました。
さらにインディカ米特有のあの匂いがクサイとの声が殺到し一般日本人の味覚ではタイ米の評判は散々なものでした、しかしそもそもジャポニカ米の代用品として何も知らない日本人がタイ米を食べる、これ自体に所詮、無理があるというか苦しい選択だと思います、ところがタイでは米に困った日本に救いの手を差し伸べたつもりの好意が無神経な日本人世論の発言に彼らの食文化を侮辱発言と受け止められタイ人を怒らせてしまったことが過去にありました。
僕らはタイは何度も何度も行ってるしタイ食は食べ慣れています、さらにいろんな国々を歩き回った経験から緊急の事態は返ってタイ米が気軽に買えたこととして歓迎したくらいでしたが、異文化を知らない大半の日本人にとってはそうではなくそうは受け取らなかった。

僕は食べるのが好きで料理作りは大好きです、特に旅で出会った食べ物は帰国後、レシピを研究して、そのうちのいくつかは我が家の日常食と化しています、客人が来れば大体はアジア食をメインに出します、そこらでカンタンに味わえない食べ物を出すって、場が盛り上がってなかなか楽しいです、また我が家の娘は幼いころからそれが普通食として育ったからそれが彼女にとって日常食です。
でもそれらは実は作る気さえあれば材料調達だって、作り方だって難解なものではないんです、今や食材はネットで気軽に買えるし高くないし、料理本を開けばレシピなんかいくらでも探せるし、ここまで環境が整った時代、さらに昨今エスニック食はブームです、ならばどうしてみんなこれらの料理を家庭では作らないのか、その感覚が僕にはよく分からない。
さて僕が家庭でよく作る料理の一つがキーマカレーです、普通のカレーにくらべてインドカレーは圧倒的に美味しく味に深みがありますし、その違いはもう比べるまでもないと僕は思いますが一般味覚はどう感じるのでしょうかね?問題はただ玉ねぎを細かく刻んでしっかりきつね色になるまで延々に気長に根気よく炒め続けますから多少は手間がかかります、僕の場合はフードプロセッサーで手っ取り早く刻みます、でも美味しいものを食べたいならこれくらいの手間は当たり前じゃないかと思います、要は美味しいカレーが家庭で食べたい気持ちがあるか、ないかです、僕は美味しいカレーが食べたいからインドカレーにこだわります。
さあ、カレーは横において米の話に戻します、北インド料理は米より小麦を多く食べるのでナンかチャパティーが主流です、ナンは一般家庭では現実的ではないけど気軽に作れるのはチャパティー、全粒粉か小麦粉を捏ねて引き伸ばし油を使わないでカラ焼きして食べます、でも生地を薄く大きく引き伸ばして何枚も焼くのは手間だから、やはりご飯で行きたいのですがジャポニカ米とインドカレーは相性が合わない組み合わせと僕は思います。
でもターメリックライスにすると一気に馴染みます、ご飯を炊く時にターメリックをスプーン2杯くらい足してかき混ぜて炊くターメリックライスはなぜか相性が良い、味がしっくり来るというか、カレーによく馴染む、これまでずーっとインディカ米と言う考えはなぜか思い浮かばなかった。
ところが最近逗子のインドカレー屋さんで食べたインディカ米の不可思議な美味しさに圧倒的な感じに見事やられてしまい、早速我が家でも試したくなってアマゾンですぐ購入しました、値段は国内米の低価格帯とほぼ同じ価格帯、炊き方は電気釜を使うやり方、鍋で炊くやり方といろいろあります。
僕は現地で覚えたやり方は鍋を使う炊き方です、鍋に多めの水に米を入れ数分沸騰させます、適当な時間になったら米の芯の具合を見てやや軽く芯が残る程度になったらご飯をこぼさないように蓋をして湯はすべて捨てます、そのまま極弱火で数分置きます、パチパチ音がしたら火を止めて蓋はしまま蒸して終わり、このやり方はパラパラご飯が確実にできます、また現地ではこれが普通の炊き方ですが、電気釜を使った炊き方も最近やり始めました、これは水の量の加減が難しく、でも決まれば上手く炊けます。
インディカ米はそもそもジャポニカ米とは同じ米ではなくあれはまったく別物と考えた方が結果はいい、僕は米を炊く時にココナッツミルクを入れたりターメリック少し入れたり、その時に塩も忘れずにほんの少し足します、あれこれやっていますが、カシューナッツとかナッツ類を入れてもいいと思います、日本の栗ご飯、豆ご飯の感覚です、僕の感想ではカレーの場合ココナッツミルクはあまり効果が期待出来ないけどココナッツの油っぽさがややコクを感じさせますね。
インディカ米はやはりジャポニカ米に比べると米の香りは別物で、良いと感じるか、エグいと感じるか様々です、我が家ではインディカ米を炊くと家族からは「ああ、いい匂い」どこか旅気分になり、これから美味しそうな料理が出来そうになりますが、これをクサイ匂いと感じる人も中にはいて、食文化の価値基準は一様じゃないです。
でもこれは僕の考え持論と言えるかもしれないですが、大人の味覚とは多少のエグ味、意味不明の味覚、不可解な味覚、 この謎の余白部分というのは味の奥行きを醸し出します、何から何まで分かりやすいのは返って薄っぺらな味覚でしかなく、ファミリーレストランの味覚に深味がないのはそこだと思います。
この考えは表現作品全般に言えることで、何から何まで分かりやすい物よりも、良いものは味わう側も成長を要求され、意味不明なミステリーゾーンを隠し味に仕込んである表現が奥行き感じゃないかと思います、要は作り手がその不可解な世界観をきちんと把握できているかが作品とか味覚の深味じゃないか、それを感じさせないものは所詮薄い物でしかないと僕は感じていますが、、、。

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