アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

国外遊学の悦楽指南 

僕は海外に行くことが凄く好きです、昔から海外に行く度、空港では気分がワクワクします、でも実はその目的とは旅行に出るとはつまり外に気分を変えに行くことなんだと思います、本当はそれが好きで定期的に日本を出るんだと思います。
国内の旅行は前にも書いたんですが、ここ昨今、わざわざ九州、北海道に行こうが、そこで国道を車で走っても、そこでの印象は関東とあまり変わらない見慣れた風景ばかりが目に飛び込んで来ます、量販店、ファーストフード店、コンビニが相変らず立ち並ぶ風景、これは見る度に心底愕然とし、遠くまでやって来た気分を萎えさせます、またテレビをつけても見慣れたものばかりで国外に出ないと気分は変わらないですね。
日々の生活で見慣れた風景で、同じ場所、同じ思考、同じ目線、同じ感覚で止まった感覚が僕は耐えられないです、それがとにかく好きじゃないんです、でも日本の外に行く度に日々の生活で停止状態になった思考は外の空気を浴び風通しを受け物事の尺度はヒックリ変えさせられます、この尺度の激変体験が僕は基本的に好きなんです、それについて書き出せば、延々に話すネタはありますが今日はその一端、初めてそれを体験した話しを書きます。

まず外に行くとしてもどこに向かうのか?アジアなのか欧米なのかで感じる気分は大きく違いますが、例えば初めてフランスに行ったことついてです、最初にパリに行った時は僕がまだ二十歳でした、中学生の半ばからフランスの独特な文化感覚にハマってマジにフランス語を勉強し始めました、その後もあきずに何年も何年も勉強を続け二十歳で念願のパリに行きました。
フランス語なんか誰もが話せない中、少しでも話せればもう羽が生えて空が飛べるような特権を僕は持ったような優越感を感じつつパリに行ったようなものです、さてそのみんなが憧れる花の都のパリのハズですが、現実はそうではありません、 行ってまず最初に感じたのは日本人印象のパリ、目の前にあるパリでは大きなズレがありました、最初に感じたパリはキレイでヤワなパリなんて超幻想でしかなくメチャクチャワイルドな凄まじく、汚いパリでしかなかった印象でした。
汚くて凄まじいパリ、、、それは僕としては意外でした、花のパリであって欲しかったけど、現実はそうじゃない、女の子も雑誌に出てくるようなみんながモデルさんみたいなパリかと思ったけど、現実のパリはダサいおばさんおっさん、ダサいオネーチャンでいっぱい溢れています。
街は不潔で汚いと言うより、これまで知らなかった汚れ感覚です、地下鉄の駅は使い終わった黄色いキップが線路に投げ捨てられていていました、これは汚いんではなく言葉にならない凄まじさを伴った汚なさに感じました、これまでの自分の人生概念の尺度では計り知れない汚れの美学とい言うか、、、、日本では考えられない美醜観でした、こればかりは体験して慣れるしかない不可思議な感覚ですかね?
またパリに着いてすぐに乗ったタクシーでは運転手は話し好きなのか、必死に話す僕のフランス語を彼は運転の半分くらい後方座席の僕を見ながら運転しています、時々目の前を車が飛び込んで急ブレーキを踏んだり、危ないというか、ハチャメチャというか、これで物事がよく成立してるな、、、と呆れるやら、怖いやら、底知れずな街に感じました。
街を歩けば1日に一回は犬のウンコを踏むし、信号は決死の覚悟で渡るし、愛想の良いやつと愛想の悪いやつのコントラストがあまりにも激しいし、、、、いったい自分はどこに来ちゃったのか?と思うほど気が変になった印象があります。まあ二十歳の少年がいきなり着いた海外の印象がこれでした。
今パリに行っても、もうそんなハチャメチャな気にはまったくなりません、それは自分があれ以来いろんな国に行って物事に慣れたのか?パリが少しはマトモになったのか?多分その両方ではないかと思いますが、とにかく初めて行った外国が当時のパリでしたが、日本を一歩出ると尺度と価値観はここまで変わるのか?または変わらざるを得ないものなのか?とこれが地球なのかと感じた出会いでした。
日本には侘び寂びの美学、陰翳礼讃の美学の概念が伝統的にありますが、パリの街で観た美学はあの手の雅な品の美学ではなく、もっと退廃的な美醜の美学とでも言えば良いのか、まだ二十歳の少年の美意識には手に負える美学ではないんですが、あやはりあの当時のヨーロッパ生活体験がその後の僕の美意識を大きく育てたのは間違いはないと思います、つまり美とは美醜のバランスによって際立つんだと言うことでしょう。

子供の時、大人たちから押しつけられるように教えられた生きる訓示「世の中とはこういうものですよ、、、」こんなもの、一歩外に出たらなんの根拠も役にも立たないじゃんか!そんな憤りを僕は感じつつ、大人たちに押し付けられた尺度なんてものは、土地が変われば、泡みたいに役に立たないもの、そもそも尺度なんてものは自分の目で見たものを信じるしかない、つまりは自分の感じるまま好きに生きるしかない、それで良いんだ、、、と自分の生き方に出会った体験でした。

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