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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

70年代後半に体験したイギリスの豊かさ(2) 

僕がイギリスにいた時はもう70年代ロックはほぼ終って時代はパンクに変わっていた、70年代は多くのロックスターをイギリスは輩出したけど税金が高く、その多くのスターたちは市場の大きな、そして税金がまだ安いアメリカに逃げるように移り住んだと聞いた。
僕はロックにはあまり興味はなく情報通ではなかったけどせっかくロンドンに来たんだからいくつかの大きなライブには足を運んだ、記憶にあるのはイエス、999、ジェネシス、チューブス、ナザレスなどなど、中でもイエスのロンドンライブは今では伝説のライブだったと聞く、ロンドンでそれを見るのはやはり日本とは場の空気が違ってた。
僕はヒマつぶし程度に見に行ったけど、ロックが好きな連中に言わせばあの時代にロンドンのステージを見たのは羨ましい限りだと皆口を揃えて言う。
あの当時ロンドンの刺激的な場所はキングスロードだった、原宿みたいにおしゃれなパンクファッションの連中がたくさん集まる場だった、アタマをピンクに染めて安全ピンピアスを耳に刺した連中がいたりでなんだか怪しげな雰囲気だったから僕の好きな場所の一つだった、今みたいに情報がなかった時代でどこがロンドンの見どころなのか、そこに住んでいながらあまりよく知らなくキングスロードもある時たまたまバスでそこを偶然に通って知った場所だった。
僕はロンドンの家庭で下働きしてたせいかテレビを見る機会が多く、連日ブリテッシュレイランドが大量解雇とか電力会社の大規模なストとか日本では見られないゴタゴタしたニュースが多かったけどロンドンから一歩出ればその雰囲気は何も感じなくのどかなものだった。
イギリスの郊外はとにかく畑がなかった、聞くとこによればイギリスは食糧の自給率がかなり低い、畑に不向きなのかイギリスにはなぜ畑がないのか不思議で仕方がなかったけど、野菜畑はあまり見た記憶がない、延々とあったのは羊と牛ばかりの優雅な野原だった。
自転車でイギリスを北上の旅を続けながら感じたのは、世界中に植民地を持ち、世界言語の英語発祥のあの偉大なイギリスの印象はイングランドの野原を旅した限りではまったく想像がつかないくらいのどかで牧歌的な土地だった、それにイギリスとイングランドの違いすらイギリスを旅して初めて知ったくらいだった。
あのころイギリスの経済はガタ落ち状態で反対に日本経済は勢いに乗っていた、多分GDPでは日本がずーっと上だったかも知れないけどイギリスが根本的に持っていた国家の品格、国家の誇り、そこは日本と大きな差をハタチながらにひしひしと感じた、やっぱり文化に歴史があって近代文化の発祥の国、特に公園に行けば文化にプライドを感じたり、ここはどんなにどん底だろうが精神的にままだまだ豊かな国なんだな、、、、と感じた。
もちろん日本だって誇りと文化を持った国だけど、イギリスの文化は過去ではなく近代の文化で至る所でそれを感じるのがやはりここはすごいな、、、と思った。
これは日本にない概念ですがイギリスではプライベートとパブリックには明確なコントラストを感じた、とにかくあっちで初めてその言葉の違いを知ったんだけど、その言葉の響きから伝わる印象に重みを感じた、多分パブリックがはっきりしているからプライベートもハッキリすると思うんだけど、これが日本ではこの概念がないくらい適当で、その境界線があってないような曖昧な印象しかない、イギリスではそのラインが頑然としてはっきりとしていた、イギリスで耳にしたプライベートとパブリックの言葉の響き、その印象は日本で聞くのとは比べものにならないどっしりした確かな印象を感じた。
イギリスで感じたことは上手く書き現せないけど、なんというか圧倒的な国が抱える品格とでも言うのか言葉に書き現せないものをハタチながらに感じた。でもその言葉にならない概念をハタチで見たおかげで僕はそれ以降の生き方が変わった気がする。

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