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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

とりあえず、、、、個展会期は迫っています。 

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今年も来月の9日から始まる個展の準備で追われています、先月は北欧ロケ準備、ドローンの扱い訓練とか、あれこれ雑事は多忙を極めとても個展の準備どころではなかった。
今回は思い切ってユリだけでどこまで場が作れるかその考えでスタートしたけど思うような優雅なユリにはなかなか出会えず、時間がかかった割に思うように作品は撮れず、無駄な日々を過ごしてしまったと思います。
そこでそこから自分は作品にどう向き合うかがカギなんです、ここまでくるともう成功するとか失敗するとかじゃない、自分はここから先、何がしたいのか、真剣に自分と対峙する時間です、これをみんなあまり真剣にやらないから作品が良くないんだと僕は思います、ここからは方法論じゃないんです、ここをしっかりやればもっと作品は良くなるはずなんだけど自分との向き合い方をみんな知らないです。

さて、戯言はこれくらいにして、今、額を必死に作っています、額なんて写真家が作るものじゃないと思っています、でも人から「ワタライさんは自分で額まで作るんでね、、、」と時々言われます、言われる度になんだか複雑な心境になります、なにもそんなつまらないことを僕は売り物にしてるわけではない。
自分で作ることは趣味とか楽しみで作ってるわけでは決してないです、コストを安くしたいから作る、これも目的ではないし、世の中で普通に売ってる額が酷すぎてとても使えたものじゃないから作ってるだけです、これは良いと思う額は目が飛び出るくらい高く、額代が僕の作品価格と同じくらいします、それでは話にならず結果として自分で作っているだけのことです。
それに僕はかつて家具職人だったから木工のスキルもある、でも額という物は45度の留めをしっかりキレイに仕上げなくてはならない、それは精密な木工機械設備があって出来るもので、ノミやカンナや丸ノコがあれば出来るものじゃない、まして写真家が所有できる程度の機械で作れるものじゃない、でも作るしかないからどうしたら作れるか試行錯誤を繰り返し作れるようになった。
どうしてそこまでするのか?先に書いたように普通に売ってる額は自分の感覚からすればあまりにも安っぽすぎて使えない、これは作家の作品に対する考え方、生き方、価値観の問題だと思います。
多分この方向性は芸術家の多くが同じことを考えていると思います、日常私たちを取り囲む物事、価値観はやはり現実的なことばかりで世の中は回っています、その多くは量産された物、量産的な考えで、既成品、既成思考をそのまま疑問に思うことなく多くの方々は受け入れています。
既成品の生活、一方で人は心のどこかで「本質への回帰願望」みたいな気持ちも同時にあると思います、そういう時に僕らの写真が部屋の一角に飾られ、それがなんらかの心の拠り所になってくれたらそこで役割を果たしたことになるし僕らの存在価値はそこにあるわけです、つまり「一服の清涼剤」が僕らの役割です。
写真とはいろんな解釈があるから、これがベストなんて言えないにしても、僕の写真の考えは絵画的思考で、いかにして部屋に飾られた作品がきちんと「一服の清涼剤」になれるか、それは写真だけではどうにもなる問題ではなく、作品と額全体が一個の物として、それ丸ごと全体が一つの価値観としての作品だと僕は思っています。
僕はマンションとか今風のインテリア素材はどうも好きになれません、もちろんすべてそうとは言わないのしても多くの床板は無垢板は少なく大半は合板に薄い天然木シートを貼っただけのもので出来ていてフェイクです、壁もプラスターボードに壁紙が貼った仕上げが多く安っぽい物です、早い話、低コストに抑えられています。
多くの方々の財布事情は厳しく、安くたって自分の家が欲しい、僻地だろうが自分の家が欲しい、それも現実的な考えです、でもそういう考えだけで作られた建物はどこか使い捨てで長い年月愛されるものではない、早い話が日本はそんな家ばかり建ち並んで街の外観は壊れているのも現実です、もちろんヨーロッパだって今風の建物は高貴な素材で建物は建てられていないんですが、彼らはやはり街の美観を日本人よりは何倍も大事にしています。僕は日本の国道沿線に立ち並ぶ外食産業、格安卸売店などのチェーン店の風景文化がどうしても好きになれません。
さて、ここまで書けばだいたい察しがついたと思いますが、自分の作品を収める額はどうしても使い捨て素材は使う気がしなく高級木材を使い、いい素材を使って塗装します、仕上げのニスにもあれこれ好みが出ます、僕は今風のウレタンニスは好きになれず、海底の貝殻成分素材から作ったセラックニスを使いますが、これは楽器なんかの仕上げに使うそうです。
木材はホワイトオークを使います、これはウイスキーの樽に使われたり高級家具に使われる素材ですが、意外に額程度ではそんなに高いコストではない、檜木とかの針葉樹より木材がしっかり硬くカンナ掛けは逆目が立ちやすく扱いにくいんですが、仕上げた品位はそこらの画材屋ではお目にかかれない品格があります。
作品とはそういうことでありたい、それが僕の考えです。
ただ先日フェイスブックでたまたまこの写真を載せて個展の発表したら、想像以上の数がいいねを入れてくれましたがなんだか、こんな額の写真にいいねが付くとは嬉しく受け止めれば良いのか、、、複雑な心境のような、、、気分です。

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