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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

個展のお知らせとその思い 

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やっとハガキが出来上がりました、先月は海外ロケ準備で忙殺されていました、ドローンとか動画も含むロケで準備やらで個展の準備は大幅に遅れてしまいハガキ、額、プリントの準備もギリギリまで作業に追われています。
さて、今日は個展にまつわる話を書きます。
このユリの作品は僕がまだ駆け出しで写真で食べて行けないころから撮り始めていました、断続的にずーっと撮り続けていたワケではなく、その間20年くらいは空白期間はありましたがやはりこのテーマは魅力のあるテーマであることに気がつき数年前の個展でユリを再開させました。
作品作りのモチーフは人を撮ったり、風景を撮ったり、モノを撮ったりいろんな考え方があります、お金をリッチかけて撮る方法もあり、また身近な物を撮る方法もあり、遠くまで行って撮る方法もあります、このユリテーマは身近でフットワークが軽いモチーフですが、その分だけ逆に繰り返し繰り返し根気よく緻密に撮ります。
世の中で「僕はカメラマンです」と言えば、聞かれるのは、「人物ですか、ブツ(物)ですか、風景ですか、」と聞かれます、カメラマンをこの区分して判断するのはどこか変です、僕にとってこのユリ感覚はブツを撮る考えと言うよりもポートレートに近い感覚です、撮影は技法的に難しいことは何もないし、大事な問題はそこじゃない。
どこまで描きたいイーメージをカタチにするか、メンタルな世界の描写力にかかっています、パッと見ただけなら、ユリを撮るなんて難しくもなさそうに感じるでしょう、実際に真似て撮るだけなら大変ではない、ところが実際やれば思うように撮れない、カンタンじゃないことに気が付きます、過去作品を買ってくれた方が撮って僕に見せた人がいたけど、どうしたらこうなるのか、それが出来ないことがやっと分かったと言っていた。
さてそこからどう作品にまで仕上げるか、、、、、、?
そこから作品作りの試行錯誤が始まります、それが結果を出せるまで続けられるか、根気と動機があるか、そこは才能次第で結果が決まります、だいたい多くは自分の意識の中のイメージまで到着しないで終わる、心の中のイメージ世界がそこまで明確にリアルに描ける人ってそんなに多くはいない、自分は何を選ぶのか、どっちに向かって進めば良いのか、そこが分からなく立ち往生する人が多い、またはあらぬ方向に行ってワケがわからなくなって道に迷うか、、、。
まずこれは花を撮る、物を撮る、人物を撮ると言う考えは横に置き、撮る世界は、物でも人物で風景でもなく、もっと目に見えない意識世界を写真に撮る、意識をカタチに引き出す、その認識がないと先に進まない、でもそればかりは意識してどうにかなる物ではなく生まれ持ったセンスとしか言いようがないものです。
それで、まだ若かれしころ、これは結構、感覚を試されるテーマだな、、、と思って撮り始め一回これだけで作品展を開けられたらイイなと思っていたけど実際撮り続けてみると撮れない現実に気がつく、まずカッコ良いユリに出会うまでが大変です、ユリ花束買って1枚もカッコイイユリに出会えないで終わることなんかザラ、タレント性を持ったユリにはめったに出会えない現実に気つく。
駆け出しのころに描いた夢が今回30年ぶりに実現することになると思います。

それともう一つ書きたい話があります、感覚表現についてですが、表現活動を40年くらいやって実感したことなんですが、感覚表現とは僕らが想像している以上に微妙なニュアンスが隅々まで伝えられる力を持っています。その力は僕らが想像以上、はるかにすごい力があります。
例えばユリを撮影台に置いてさあ撮るとします、光の当たり具合、ユリのカタチ、花びらの質感、その感触から「かすかな感動」ほんのわずかなきらめきが心に見えたとし、それをなんとか写真に撮りたいとします。
撮って、現像してプリントして、それが写っていたとします、でもまだそれははっきりと明解なところまで出ていない、印画紙を変え、表現法を変え、あれこれやってカタチに現れて来たとします、心の微妙な感情が間違いなく写真に現れたとします、そういう微妙な何かは、すべての人に伝わるわけじゃないけど、伝わる人には驚くほど心の微妙な感情とか考えとか作家の価値観とか人生観まで細かいニュアンスまで伝えられる力があります。
その時の微妙な領域の伝わり方は、現実的な説明をはるかに超えた深い意識の共有感があります、これをお互いに確認し合うと現実的なコミュニケーションでは何も伝える力がないことを感じます、これは偶然にそうなったというより、人間はそういう意図のもとに作られた存在だと解釈した方が正しい気がします、写真追求するならここは気付いておいた方がいいんじゃないか、と思います。

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