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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

オーラを発する子 

最近、ブログを書くことが減っていますが、特に意識してそうしているのではなく、結果としてそうなっているんです、特に書きたいネタに出会えていないからなのか、、、、ぜひ書きたいような話が浮かばない、泉のように枯れない文の才能あるわけでもないし、、、、ところが先週、ちょっとした面白い奇妙な出会いがあった。

僕は普段広告撮影で収入を得ていますが、最近ネット仲介の撮影をパラパラ始めました、撮影仲介業者に登録し、お客さんがカメラマンを探していれば僕にメールが入り、希望金額を提示し成立すれば撮影が来るシステムです。
この仕事は仲介業者から僕に参加のお誘いが来たんですが、はじめは抵抗があってなかなか踏み切れませんでした、でも せっかく海が見えるスタジオを所有してるんだから使わないのももったいないと思って始めたんですが、依頼される主な撮影はホームページ用のプロフィール写真を撮る仕事が多く、だいたいのお客さんは街の写真館をイメージして来ます、でも写真館水準はよほどレベルが低く、その割に金額が高いらしく、ほとんどのお客さんは僕の撮影に感激します。
僕らの仕事の水準はやはり写真館とは比較にならないくらい高く、価格が安かろうがそういう感覚が当たり前になっています、おかげでお客さんの満足度を示すクチコミ数と書かれた内容は高評価な口コミをダントツにたくさん書いてもらって他のカメラマンを圧倒しているようです、まさか自分にお客さんをそこまで満足させる才能があるなんてちょっとびっくりした。
普段の広告のギャラに比べたら話にならない金額ですが、格安で仕事を受けようが僕は手を抜かないで普段の仕事と同じ気持ちで撮ります、特に親切心でそうしているのではなく、そうじゃないと楽しくないからそうするだけの話です、でもお客さんにとってはそこまでやってくれたと感激して口コミに書いてくれます。
それに気に入られるもう一つの理由は決して自分のペースだけで撮影を進めないからです、相手に撮影の段取りを事前説明をきちんとして途中、撮った画像もしっかり見せながら、何かあれば相手に決めさせます、衣服が数着あれば、まず全て撮って、それがどう違うのか、どんな見え方をするのか、どっちが良いのか、撮った画像を相手に見せてどっちが良いか相手に選ばせます、コミュニケーションをしっかり取って本番に入るのでお客さんは納得します。
さらにもう一つ、僕は相手の良い表情を撮ることには絶対に撮れる自信があります、その重要なコツは相手をしっかり納得させて、僕を信頼させてから本番撮影に入ります、そうすれば緊張した表情は必ず緩い良い表情に変わるし、そうなったらもうこっちのもので、その変化を画像を見せて説明します、良い表情なんて特に何か特別なことをしなくたって相手を喜ばせれば表情なんて勝手に良くなります。
あとはそれを集中して撮れば良いだけの話で良い表情を撮るなんて少しも難しくないです。毎回そうはいかないこともあるだろうし、相手との相性もあるだろうけど今のところすべて上手く行っています。街の写真館はそう言うステップをしっかり踏まないでお決まりのことをするだけで終わるから良い表情は撮れないし、お客さんがそれに不満を持つのは当たり前です。

さて前置きが長くなったけど、先週そう滅多に出会えない奇妙で稀有な出会いがありました、お金にならない雑多な仕事でもたまに女優やモデル志願の若い子たちもパラパラ来ます、これまでに2〜3人来たけど、そんな時は自分の資料ファイル用にと、、いつもより多めに撮ります、でもまだ駆け出しで、カメラの前に立った時にビビビッとオーラはほとんど感じない一般人と何ら変わらない子たちばかりです。
先日、僕に予約して来たある女優志願の子はこれまでにはないちょっと変わった子でした、日本人ですが、日本より海外生活が長かったらしく、感覚が普通の日本人とはまったく違った子でした、約束の時間は守らない、約束した一部金の振込もない、連絡も思うように取れない、それではヘアーメイクをお願いしたし、、、、果たして本当に来てくれるのかハラハラ心配でした、でも心のどこかでは、いつもとは違う期待感もなんとはなく感じていた。
彼女は約束より1時間くらい遅れてやって来た、そもそももっと早く開始したかったけどヘアーさんの都合でやや遅めにスタートした、しかもその日は生憎、雲り天気で暗くなるのがいつもより早く、室内自然光はやや不足気味で撮影は始まり日没まで撮影時間が足らない感じでスタートした。ちなみに光量が足らなければストロボを使えばことが足りますが、この子の撮影にストロボ光の質感はまったく使う気になれなかった。
カメラの前に立った瞬間、やっぱり何となく直感した通りオーラのような強い何かがビビビッと僕の体に刺して来ました、久しぶりに奇妙な得難い気分で撮影を始めました、大げさに言えば「微かながら鳥肌がたった」肉眼で見るにはさしてどってことがない子だけど、レンズを通して見た瞬間、この子からは予想を超えた何かが撮れるな、、、って感じ、それは直感から確信になって僕に突き刺さって来た。
この感覚は一体なんなんだろう?つい1ヶ月前、女優志願の子を撮った、身長が小ぶりな子を撮った、でもその子がカメラの前に立とうが、こっちに突き刺さるようなオーラなんてなかった、本当はあるのかも知れないけど、僕が2時間くらい撮った中では、時々可愛い表情を見せる、、、って感じたくらいでそれ以外は何もない、人のことをそう評価してしまうのはどうかとは思うけど、悲しいかな、彼女にはそうとしか言いようがない。
ところが今回の約束を守らない彼女は、持って着たきれいな服を着てカメラの前に立った瞬間、ある種のオーラがこっちに刺すようにやって来る、それでシャッターを切って行くと何気ないポーズの中にキラッと来るカッコ良さが彼女から発した、これが、、、、「つまり命っていうものなのかな?」って思った、センスの良いカメラマンはこれが撮りたくってカメラマンになりたいんじゃないのかな?って思った。
世の中には、どんなものにだって、上、中、下、のランクがあります、極上のワイン、いくらお金を積んでも惜しくない 物ってこの世には確かにあります、逆にタダでも欲しくないものだってあります、良いものって、「神がかったもの」なんだと思う、僕はそういう「神がかったもの」の正体が、その実態が、そのワケが、知りたいから、写真を撮ってるんだし、こんな生き方をしているんだと、その時、思った。
そのために海の前に住んで、毎日、水平線を眺めて暮らしているだと思った、こう言うことはモノじゃなくて神がかったある一瞬でしかない、こう言うことってわかる人は分かるけど、わからない人はずーっとわからないままなんだろうって思う。
その子が遅刻してやって来てメイクを仕上げて、さあ急いで撮りましょう、その子がカメラに立って数枚シャッターを切った瞬間、僕はさっと感じた、「ねえ、今日は多分、物足らないまま終わると思うよ、日を改めてもう一回やらない?今度はお金は要らない」って僕は言った。

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