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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

「みみずくは黄昏に飛びたつ、村上春樹x川上未映子」を読んで 

前に村上春樹の職業としての小説家、という本を読んで思ったのはとても楽しく考えさせられた本でした。
村上春樹と言う人は物語を描くに当たって驚くほどの描き方の引き出しとか考えとかノウハウを持っています、僕にとってはとても興味深くよくぞここまで書いてくれたと言う面白く貴重な話でしたが、冷静に見ると本の内容は村上春樹の個人的な領域を事細かく書かれたもので、彼の世界観が無理なく入って行ける人には難なく読めるだろうけど、そうじゃない人にはかなり難解でつまらない本じゃないかって思います。
今回読んだ「みみずくは黄昏に飛びたつ」については、川上未映子がとてもいいインタビューをしていると思った、普通のインタビューなら、だいたいは通り一遍のインタビューで終わっちゃうものが多く、読んでもあまり心に残らない質問が多いし春樹氏もそれ以上は自分から多くを語ろうとはしていない感じがして、読む側にするとなんだか物足らない印象があった。
でも今回の本の場合、彼女はまず小説家であって、でも村上春樹に対して一人の読者ファンとしての視点と一人の小説家としての双方視点で春樹氏に話を聞いてるので質問の内容が濃いなあ、、、中身があって読み応えがあるな、、、、って感じながら読んでいた、また彼女のそんな鋭い質問に対しても春樹氏も真剣になってマジに突っ込んだ内容で答えている感じがして、言うなれば双方が激突して語り合ってる感じがして読み応え感があった。
僕は川上未映子と言う人についてはデビュー作を少しさーっと読んでどちらかと言うとあまり良い印象を持たなかったけど、今回の春樹氏の質問内容と彼女の突っ込みの鋭さを読んでなかなかやるな、、、、この子は、、って思いながら読んでいたし、こんな話は彼女だから聞き出せた内容で、今までここまで話を引き出せたインタビューってあったかな?って思った。
その中で春樹氏が語った印象的な話で、作品というのはどこまで作家自身がその自分自身のテーマと深く関わり続けられるか、、、、なんだ、と言っていたけど、僕はそれを読んで少し考えさせられた。
もちろんそれについては前からずーっとそう思っていたし、それは当たり前のこととして感じていたし、でも関われば良いってものじゃない、関わったら結果が出せると思うならそれは間違いだと最近思っている、要は関わり方があって、なおかつ深くべったりと自分の作品に関わらなければならない、、、、そこが難しい。

よくフェイスブックなんかで写真好きとかカメラマンを目指す人が作品を次々に投稿している人がいるけど、その多くは作品の内容について、それが一体なんなのか、何を表現したいのか、そこがあまり深くしっかりと考えられていない作品、あまり考えないで軽い感じで投稿してる感じが目立ってる気がして見ていた。
でもその「考えること」ってすごく難しいと最近思う、もちろん考えるだけならいくらでもいろんなことを次々に考えられる、でもそんな考えなんか大半は表現活動には役に立たない意味のない考えばかりだ、、、、下手をすれば考えない方がまだマシな考えばかりだ。下手に考えたばかりにかえって作品を難しくさせたり、理屈っぽくなったり、気難しくさせてしまう。
じゃあ、何も考えなきゃあ良いじゃないかって思う節もあるけど、、、、、やはり考えることと感じることは似て非なるもので、、、、。
つまり作品を作って行くにあたって、自分の思考をどう使いこなして行くか、つまりは思考というのは力であって、力のさじ加減、それがそもそもセンスであって、その関わり方のスタイルがセンスじゃないかと思う、この本を読んで改めてそんなことについてまた考えさせられる良い機会でした。
今、ずいぶん前から手をつけている作品「魔法植物園」のまとめ方についてちょうど考えていたとこだった。

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