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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

カメラの前で発するオーラ(2) 

昨日書いた話はまだ書き切った気がしなくてもう少し続けようかと思います。
何らかのオーラを発する子って、普段から何か独特な空気を醸し出す子もいれば、特にそうではなく普段はごく普通の子なんだけど、それがメイクされてスタイリングされてカメラの前に立つとバケてしまう子もいる、それは何がそうさせてどこでそうなっちゃうのか、僕もそれについては今のとこまだうまく説明ができない。
ただこれは言えるだろう、、、と思うのは、やっぱり誰だってカメラの前に立つとは、ある意味で「晒し者にされる」わけです、自分が見透かされると言うか、隠したい見られたくない部分が丸裸にされるわけです、こっちだってプロです、それを引き出そうと必死で戦うわけです、そういう緊張感だからこそ出るものがあります。
もっと突っ込んで書くと、、、、人は誰だってあからさまに見られたくない部分はあるはずです、こっちもある種のエネルギーをかけて「撮ろう」とするわけです、そんなひしめき合いの立場に立たされたらどんな子だって緊張状態です、中には動じない、そういう空気が楽しい子もいます、さあ、あなたの好きに自由に撮ってくださいと、突き抜けた子か、ごく普通の常識的な子か、その子のありのままがそこにあからさまに出ます。
そんな状態でカメラの前に立たされたなら、普段では見せないある所作とか見せたくない姿がカメラの前で必然的に露わになります、優秀なカメラマンなら手品級の技だって使えるし、その引き出し方だっていっぱいあるだろうし、撮影とはそんな個性と個性のぶつかり合いあいです、そこでひしめき合い、モデルとの駆け引きであり、セッションであり、そのカメラマンじゃないと絶対に引き出せない表情があるわけです、そこが面白いとこで化学反応のようなマジックが発生するし、それがポートレートの醍醐味であって、機械的な免許写真との違いがあるわけです。
それはある種の交わりで、撮り始めからそうなることもあれば、撮っていくうち徐々になって行く場合もあり、理屈じゃ説明ができないその場だけのライブがカメラマンとモデルとの間に生まれます、その場でバケる子、日常ではほんとんど見えない世界に行けちゃう子、または何もないただの普通の子、何かがあるように背伸びをする子、とか色々いるわけです。言えることは、特殊な環境で育った子はおもしろいケースがやっぱり多いですね、、、、。

因みにこれは時効だろうから書くと、、、、昔サッポロビールでキャンペーンガールポスターを撮る仕事をもらいました。聞くとこによれば3つのチームが同じモデルでポスターを作ったそうです、居酒屋でよく貼られるビール会社のキャンペーンガールの例のポスターです、よくある水着ビキニ編、浴衣編、そして僕らはOL編を担当しました、ADの考えは、その子をやや知的でみんなから憧れられるOLとして描きたかったけど、実際の撮影はなかなかそうではなかった。
もし僕らがモデルを選べたらまず選ばないだろってタイプの子でした、オッパイが大きくてあまり知的とは言えなさそうな子で、見せる表情の引き出しは浅くて、つまらないし、自分の「ここが可愛いでしょう?」と思い込んでいる節があって、こっちが無意識で撮っていたら、それを撮らされて終わるだけだなって感じた、ADもそこに気がついていて、このままでは相手のペースにハマるだけで「そこをなんとかしてくれ!」と僕に指示が出た。
そこでどうしようか撮影中、やや悩んだ、あれこれやっても相手のペースはそうカンタンには壊せられない、でもそこをなんとか相手の持っている普段の撮影ペースを壊すしかないとこまで追い込まれた、でもそこにある良い雰囲気まで壊すわけには行かない、モデルのプライドまでは絶対に壊してはならないが一歩間違えたらそうなりなねない、、、それで撮影を笑いの場に変えた、はじめはモデルさんも困惑していたけどそのうちに慣れてきてケラケラ笑うようになった、そうなったらこっちのペースだ、そのうちツッコミを入れ始めてやや迫った、「ヤダ〜」と言って笑った瞬間を撮ったものがセレクトに決まった。
要するに僕がしたことは、その子は自分を見せるカバーがしっかりあって、それがそうカンタンには外せないくらい厳重なカバーがかかっていた、それが僕らにとってはつまらないと感じそれを取ったら何が写るのか?ってやったことが結果に繋がった。
出来たものは特にどってことのない表情だったけど、よくあるキャンペーンガールの表情だけは撮りたくなかったし、ADがわざわざ僕を選んだのは、僕ならそこを何かしそうだなって期待して指名されたわけだし、彼女に覆い隠されたカバーを外して撮ったら、まあなかなか悪くはないモデルだなって思って終わった、それにスポンサーさんからは3つのポスターのうちOL編チームの上がりが一番良かったと言ってもらえた。

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