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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

効率性と文化性は真逆な価値観 

ここ最近、新しい時代感覚についてややネガティブな目線で書いていますが今日もそれに関した話です。
こんな書き方をすると年寄りジジイ扱いをされてしまいますが、やはり新しい時代の文化はかつてに比べるとどうも軽いものが多い気がします。
どうしてそんな風になるのか?考えてみました、ここがポイントじゃないかなって思うのは日本は戦後、戦争で失ったものを一気に取り戻そうと新しい国作りをしました。そこで選んだ政策のキーワードは生産性効率性だったと思います。この政策で日本は一気に豊かになったのは誰も否定できません。
日本中の道路という道路はみな舗装され、車がじゃんじゃん走るようになり、高速道路ができたり、新幹線が開通したり、街中に新しいビルが立ち並び、一般家庭に、クルマ、カラーテレビ、エアコンが普及化したりで、生活レベルが一気に上昇しました。しかしその流れの裏に見落としてはならい問題がありました、それは生産性、効率化によるある種の歪ですが、案外、見落とされがちです、この価値観がもたらす弊害は、案外人間の心を蝕みます。
「蝕む」という弊害は結構恐ろしく、ゆっくり、ゆっくりと人の心を蝕むので、それに気がつかない人がたくさんいますが、気がつけば今の日本はかつてに比べたら文化性はどうみても後退した気が僕はします。
なぜそうなってしまうのかといえば、効率化、生産性重視、結果主義、この考えが蔓延すると人の考えは世知辛くなってしまいます。豊かさが十分に享受できれば文化性なんてもうどうだっていいわけです。文化性なんてただの屁理屈になってしまいます。その結果、徐々に無教養な人間が増えていきます。

例えば、広告界についてお話しします、僕らが広告の世界に憧れてカメラマンを志したころは、広告界はもっと元気があった時代で、ハイレベルな広告を従事するクリエーターたちは往往にして文化レベル、教養レベルが高かったと思いますが、今は悲しいかなそうではない、文化レベルが決して高いとは言えない方々が多くなった気がします。
そもそも広告とは物を売るための告知活動であってクリエーターたちの遊び道具、活躍の場ではない、という言い方もできます。でもとは言え、その一方で広告によって企業の品位、イメージを上げる役割もあって、物を売るためだけに広告は存在するのではない、という言い方もできます。要するに広告とはこうなんだと一言では片付けられないグレーゾーン的な存在なんです。
その時代の経済力次第が広告を決めます。要はこれが広告だなんて定義なんてそもそもないんです、お金に余裕があれば、物を売るだけではなく、企業自体を広告する広告予算が組めますが、お金がなければそんな余裕はなく、ただ物を売るためだけの広告しか打てなくなります。
お金があれば遊び性の強い広告が作れますが、お金がなければ広告効果による売り上げ、結果が重視され、遊び性のある広告、グラフィック性の高い広告などは隅に追いやられ、安い予算で高い結果を求められ、予算の安いWeb広告ばかりが重視されます。しかしそこに広告文化は確実に衰退化します。
僕らがまだ駆け出しでまだWebがなかった時代は余裕があったのか、時代感覚が今とは違っていたのか、、、大きな駅貼りポスターを作ったり、新聞全面の見開き(30段)広告を作ったり、グラフィックとして美しい花のある広告がじゃんじゃん作れた時代が確かにあったわけですが、しかし世の中が効率的主導になれば、そんな遊び性の強い広告を作る気分は消え去りました。つまり効率的な考え方と文化的な考え方は完全に対極の考え方であって、それは水と油の相性です。
つまり効率的な考えが世の中を支配すると文化的な気分は隅に追いやられる傾向がどうしても否めません、これは人々の生活気分にも十分に影響を及ぼしますし、教育にもその影響は出ます、とにかくいい企業に就職ができる大学が持て囃されるばかりで、早い話がいい大学に入れるなら教養などなくてもちっとも構わない気分が世の中に蔓延っています。今がそんな時代なんだなって僕は感じます。
でもこれがヨーロッパに行くと感じるのは、まだヨーロッパの文化はそこまで衰退していないのか街の美観を大事にする価値気分がまだ日本より高いらしく、日本のようにな国道沿線によくみられるあの下品な大型のお店の並びはどこにも見当たりません、あれは確かに便利なんですが下品でしかない。
そして思うのは文化性が下がれば、教養レベルも確実に下がります。それが今の日本の流れではないかと僕は感じます。
結論は豊かさを求めて日本は一生懸命に働いて豊かな国になったけれど、どうも世知辛くなったり、街の美観は壊れたり、無知な連中が増えた、そんな結果を感じます。

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