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アトリエ水平線より

渡会審二の写真日記

日本を出て見えるもの 

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前回の続きです。
日本を出て見えてくるものがたくさんあります、何かに行き詰まって先が見えなくなる事はよくある事です、そんな時は僕は環境から出て日本を一ヶ月くらいは離れます、旅に出て日々の暮らし感覚を忘れるくらい旅に浸ります、その時、見えるものがあります、帰国した時はさらに怒涛のように何かが押し寄せるように見えて来ます。時々それがものすごくキツいことすらあってしんどくなったりもします。
僕は助手生活を終えて、その先が見えなくなって旅に出た話を前回書きました、そこで気がついたのは、自分が日本での考えていたことに、ものすごいバカバカしさを感じました、そこで感じたことを一つ話します。
日本では大量の広告が毎日作られていますがメッセージなんて実は何もない、広告とかマスコミとか雑誌とかテレビではいろんな情報が大量に毎日発信していますが、実はどうでもいい情報ばかり、知ってタメになるより知らない方がマシな情報がとにかく多く、無意味な情報は日々大量生産されこっちにやってくる、受ける側もその無意味さに麻痺している、それが実態じゃないかと思いました。
みんな忙しく働いているけど、実はたいして意味があるとは言えないような事に消耗し日々を送っている、テレビをつければつまらないバラエティー番組ばかり、タレントが大食いをして番組盛り上げる、フェイスブックもほとんどはつまらないネタにいいねがいっぱい付く、またそこにつまらない書き込みがいっぱい並ぶ、SNSの書き込みのほとんどはアホになりそうな事ばかりで賑わっている、でも外にはもっとすごく面白いこと、もっと知っておくべき事はたくさんあります。
話は変わり、旅でそれまでの考えから写真を撮る事に対して注意すべきことを感じました、大きく分けると2つの考え方があると思います、これは被写体選びの基本的な心構えとしてあった方が写真の考え方が整理されると思います。
一つはモチーフ自体には特に強いメッセージ性はない、モチーフを撮り手が撮り方、表現法、スキルを駆使するなどして何らかのメッセージを表現する表現法。でもこれはスキルがなければモチーフに力がないから、結果的につまらない写真になりがち、または広告のプロカメラマンによく見るパターンで、見せ方に偏った写真が多く中身にモノ足らなさを感じさせるものがあまりにも多い。
もう一つの視点はモチーフ自体にはこれといった強いメッセージ、存在感があって、まずそこから撮り手は写真表現をする、もちろん、モチーフが強くて先に挙げたようにスキルを駆使して撮ればさらに存在感はアップするだろうし、逆に存在感に依存しすぎて撮り手の力不足になることもある、要はモチーフ自体に力があるか、ないか、それを自覚した上で、そこからどう表現して行くか、これだけで語れる話ではないんですがこれを念頭において考えを広げて行くことができます。
それで、日本で写真を撮る場合、大半がモチーフに存在感や実態がないものが多くスキルがなければどうしても、ある方向に偏ってしまう傾向があって、そこからどう考えて撮って行くかが自覚されておらず空白のままではよろしくないと僕はアジアの長い旅で感じた。
日本は物が豊富でなんでも揃っているけど、ある偏ったモノは吐いて捨てるほどある、でも肝心な物事は案外、何もない、この日本の偏ったモノや価値観の環境に長く浸たる生活を続けると、環境に考えは洗脳され、感覚は麻痺し考えが幼稚化し肝心な基準が次第に分からなくなって、物事を自分のアタマで物事を考えたり判断ができない大人が多くなる傾向がある。
これは何も日本だけの話ではなく、先進国ならそれぞれ社会にある偏りです、そこに、歪みがあって、その社会によって生じる歪んだ目線でしかものは考えられなくなる気がします、可能なら定期的に違う環境で違う価値観や気分を味わう事は思考がリフレッシュされます、特にマスコミに携わる人はそれを定期的にすべき気はしますが。

今回、旅をしたアイルランドはこれといった理由はなかった、ただかつてイギリス全土を旅したんでアイルランドも見たかった、英語国で英語漬け生活がしたかった、どうせ行くならゴチャゴチャした観光地じゃない、静かでヒマな島を選んだんですが、さらに絶壁があると知って、ドローン撮影に興味を持っただけの話です。
来て驚いたのは、こんな絶壁は日本にはない、やっぱり絶壁とは圧倒的な存在でそれ自体に驚きますけど、そこには一切の柵がない、そこに価値観の違いに驚きます。
先に行こうが、そこで何をしようが各自の自由、自己責任、そこが危ないけど、近寄るか、行って転落するか、各自で考えて自己責任でやってくれ、管理も、規制も、柵も、標識も、注意書きも、立ち入り禁止表示も、一切ない、日本なら厳重に管理されるが一切ない、ドローンで海側から先端の実態を撮影したが、先端は突き出しているがすぐ真下はえぐれた箇所が多く何もない危険な先端が想像以上に多かった。
先端に立てば、そこがいつ崩落するかは分からない、少なくとも先端から2〜3mは近寄らない方が身のためと僕は思うが、ツーリストたちはみんな例外なく先端から真下を見たり、そこで記念撮影をしていた、そこでは各自の自己責任がすべて、さらに台地はそれぞれ持ち主がいるが、勝手にあちこち歩き回っても特に問題はないとツーリストインフォメーションから聞いていた。
こんな感覚は日本なら絶対にあり得ない、通用はしない、間違いなく管理される、問題が起きれば必ず誰かが責任追及したがる、この国はそういう責任追及をしたがる国だ、よってどこかにつまらない展望台を設置し柵を張り巡らし厳重に管理したがる、その他は一切、近づけられないように立ち入り禁止にする、ここはそうではない、私有地だろうが崖に沿って延々に何キロも歩いても構わない。
この通り国によって物事の常識なんて様々です、たまには常識の違う環境に身を置くと普段の自分らはいかにつまらないことに管理され縛られているかに気がつく、僕は時々日本を出たくなるのはこの管理したがる日本の風潮にストレスを感じる。カメラマンならば、時々外に出て、びっくりしたり、感動したり、圧倒的なものに出会ったり、怖い思いをしたり、そういう時を持たないで部屋にばかり閉じこもっていたら感覚的によろしくないと思います。

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